
院長:泉お気軽にご相談ください!


毎晩、布団に入っても足先がじんじんと冷えて、なかなか寝つけない……そんな夜を繰り返していませんか?「足が冷たいから」という理由で冷え性に悩む方の多くが、とりあえず靴下を履いて寝るという習慣を続けています。
でも、それが実は睡眠の質を下げている原因になっているとしたら、どうでしょう。今回はそのギモンに、東洋医学の視点からしっかりお答えしたいと思います。


靴下を履いて寝ることで逆に眠れなくなっている方を本当にたくさん見てきました。正しい知識を持つだけで、今夜から眠れる身体に変わるきっかけになれば嬉しいです
「温めているのに、なんで眠れないの?」と思う方も多いかもしれません。実はここに、眠りのメカニズムと冷え性の関係を理解するうえで大切なポイントが隠れています。
人が眠りにつくとき、身体は深部体温(身体の内側の温度)を下げようとします。体の内側の熱を、手や足の先から外に逃がすことで体温が下がり、自然に眠気が訪れる仕組みになっているのです。このとき足裏からの放熱がとても重要な役割を果たしています。
ところが、靴下を履いたままでいると足裏からの放熱が妨げられ、深部体温がなかなか下がりません。その結果、身体が「まだ起きている状態」と勘違いして、眠りにつくまでに時間がかかってしまうのです。「足を温めているのに眠れない」というのは、まさにこの状態です。
東洋医学では、冷えは「気血の滞り」と捉えます。気(エネルギー)と血(栄養を運ぶもの)の流れが悪くなることで、末端まで温かさが届かなくなるのです。靴下で外側から温めても、この気血の滞り自体は解消されません。
つまり、靴下はあくまで一時しのぎに過ぎず、冷えの根本原因である気血の巡りを整えないかぎり、本当の意味での改善にはならないということです。毎晩靴下が手放せないという方は、身体の内側からのアプローチが必要なサインかもしれません。


冷え性の原因は、ひとつではありません。長年多くの患者さんと向き合ってきた経験から言えるのは、冷え性には必ずその人固有の背景があるということです。「なんとなく冷える」という方でも、丁寧に検査をしていくと複数の要因が重なり合っているケースがほとんどです。
冷え性を引き起こす要因として、特に多く見られるものを挙げてみます。日常生活のなかで思い当たることはないか、ぜひ確認してみてください。
これらが複数重なっている方ほど、冷えの症状が強く出る傾向にあります。また、冷え性は体質だから仕方ないとあきらめている方も多いのですが、適切なアプローチで改善できるケースが非常に多いです。
「冷えくらい大丈夫」と思って長年放置していると、やがて別の症状が連鎖的に現れてきます。
肩こりや腰痛、頭痛、不眠、むくみといった症状は、冷えが引き起こす代表的な不調です。女性の場合は生理痛や生理不順が悪化することも多く、「生理のたびに寝込む」という方が冷え性の改善とともに楽になったというケースも、当院では数多く経験しています。
さらに長期間にわたって冷えが続くと、免疫力の低下、代謝機能の落ち込み、自律神経のバランスの乱れへとつながります。身体の不調が多くて「どこから手をつけたらいいかわからない」という方は、冷え性が根本にある場合も少なくありません。
靴下をやめたとしても、足が冷たいままでは眠れませんよね。大切なのは「外から温める」ではなく「身体が自分で温まれる力を取り戻す」ことです。具体的にどのようなアプローチが有効なのか、整理してみましょう。
まず、毎日の生活習慣のなかで取り入れやすいものをご紹介します。続けることで身体の内側から変化を感じられるはずです。
靴下の代わりにレッグウォーマーをおすすめすることが多いのは、「足首を温めつつ足裏を覆わない」という点が重要だからです。足先からの放熱を妨げずに済むため、入眠の妨げになりません。
冷え性のお悩みで来院される方に共通して見られるのが、自律神経の乱れです。自律神経は体温調節に直接かかわっており、乱れると末端まで血液が届きにくくなります。
ストレスが多い・睡眠が浅い・疲れが抜けない、という悪循環の中心にいつも自律神経の乱れがあることが多いのです。「冷え性なのに顔はのぼせる」という方は、特に自律神経からのアプローチが重要です。
冷え性が「検査では異常が見つからない」とされるのは、西洋医学の検査では捉えにくい状態だからです。一方、東洋医学では冷えを「気血の滞り」という概念で早くから重要視してきました。気の流れを整えることで、身体が本来持っている温まる力を引き出すことができるのです。
鍼灸施術では、経絡(気血が流れる通路)上のツボを刺激することで、血行の改善・自律神経の調整・ホルモンバランスの整えという三方向から冷えに同時にアプローチします。薬ではなく身体自身の力を引き出すため、副作用の心配が少ないのも大きな特長です。
当院での実際の施術でも、「施術後に身体がじんわり温かくなる」「布団に入ってすぐ眠れるようになった」という変化を最初に感じる方がとても多いです。身体の内側から温まる感覚というのは、靴下で温めたときとは根本的に違うものです。
冷えの根本原因に向き合うことで、冷えだけでなくほかの不調も一緒に軽くなるケースが多くあります。
| よく一緒に改善される症状 | 関係する要因 |
|---|---|
| 肩こり・腰痛 | 血行不良・筋肉の緊張 |
| 不眠・睡眠の質の低下 | 深部体温の調節・自律神経 |
| 生理痛・生理不順 | 下腹部の気血の滞り・ホルモンバランス |
| むくみ | 水分代謝の低下・血行不良 |
| 疲れやすさ・倦怠感 | 代謝低下・自律神経の乱れ |
「冷えだけじゃなくて、いろんな不調が重なっている」という方こそ、ぜひ一度しっかりと身体全体を診てもらうことをおすすめしたいです。
当院では、冷え性に対して「まず原因を丁寧に見極める」ことを最も大切にしています。冷えの原因はひとつではなく、心身両面のさまざまなストレスが絡み合っているため、症状だけを見て施術を始めても根本的な改善にはつながりません。
当院では、唾液によるストレス検査と、東洋医学に基づく気診(筋反射テスト)を組み合わせて身体の状態を分析します。内因性ストレス(感情的な要因)・外因性ストレス(気候・環境)・その他の生活習慣的ストレスの三方向から多角的に検査するため、検査を受けた方が「自分の冷えの原因がここにあったのか」と納得される場面を何度も経験してきました。
原因が特定できてはじめて、その方に本当に必要な施術の内容と頻度が決まります。施術後に「前より身体が軽い」「夜ぐっすり眠れるようになった」という声をいただくたびに、この検査の大切さを改めて感じています。
鍼に対して「怖い・痛そう」というイメージをお持ちの方も多いのですが、当院で使用する鍼は髪の毛ほどの細さで、刺激は非常に穏やかです。気診で見つけた最も効果的な一点のツボを丁寧に施術するため、身体への負担も最小限です。
「初めての鍼でしたが、施術後に身体の内側からポカポカと温まるのを感じて驚きました」という声は、冷え性でいらっしゃった患者さんからよくいただく感想です。鍼が初めての方も、どうか安心していらしてください。
ここで、実際に冷え性で来院された方のエピソードをひとつご紹介します。学生の頃から長年冷え性に悩まれていた40代の女性の方で、夏でも手足が冷えたままで、布団に入ってもなかなか寝つけないのが日常だったとおっしゃっていました。冷えからくる肩こりや生理痛もひどく、「体質だから仕方ない」と半ばあきらめていたそうです。
施術を始めてみると、まず「施術後に身体がじんわり温かくなる」という変化が現れ、次第に寝つきが改善され、生理痛も軽くなっていきました。半年後には「以前のようなつらい冷えや生理痛がかなり軽減され、薬やカイロでごまかしていた頃とは別人のような毎日」とおっしゃってくださいました。
このように、冷えを根本から整えると、眠りの質・生理の状態・日常のエネルギーといったさまざまな面で変化が現れてきます。「どうせ治らない」と思っていた方に、ぜひ知っておいていただきたいことです。
絶対にダメというわけではありませんが、素材と締め付けには注意が必要です。足先まで覆う一般的な靴下は放熱を妨げるためおすすめしません。もし靴下を使うなら締め付けのない素材(シルクやゆるめのコットン素材)を選び、できれば足首止まりのレッグウォーマーに替えることをおすすめしています。
多くの方がそうおっしゃいます。ですが、冷え性は体質そのものではなく、気血の滞りや自律神経の乱れという「整えられる状態」です。根本原因を丁寧に見極めて施術を続けることで、長年の冷えが改善したケースを当院では数多く経験してきました。あきらめないでください。
個人差はありますが、多くの方が数回の施術のうちに「身体が温まりやすくなった」という変化を感じはじめます。根本的な体質改善には継続的な施術が必要ですが、焦らず身体と向き合っていくことが大切です。当院では初回に丁寧な検査を行い、その方に合った施術計画書をご提案しています。
毎晩靴下を手放せずにいる方、足の冷えで何度も目が覚める方、「冷え性くらいで病院に行くほどでもない」と思ってずっとがまんしている方……そのがまんは、もうしなくていいんです。
冷えは身体が「助けてほしい」と発しているサインです。靴下で温めることは根本の解決にはならず、気血の巡りを整えることこそが本質的な改善への道です。30年間・17万人以上の方と向き合ってきた経験から、自信を持ってそうお伝えできます。
「これって冷え性かな?」という段階でも、どうか一人で悩まずにいつでもご相談ください。あなたの身体のことを、一緒に丁寧に見ていきたいと思っています。

