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最近、食事をしていないのに喉に何かが引っかかっているような感覚はありませんか。病院で検査を受けても異常が見つからず、それでも喉の違和感が消えない方が増えています。
そんな症状は医学的に咽喉頭異常感症と呼ばれ、一般的には名前で知られています。現代社会のストレスが主な原因とされており、多くの方が悩んでいる症状です。実は東洋医学では、この喉の不快感を改善するために効果的なツボがいくつか存在します。
喉に何か引っかかっているような感覚があるのに、耳鼻咽喉科で検査をしても何も見つからない。そんな経験をされた方は決して少なくありません。この症状には医学的な名称があり、その背景には現代人特有の問題が隠れています。
喉に梅の種が詰まったような感覚を訴える症状は、医学的には咽喉頭異常感症と呼ばれています。別名とも言われ、実際には喉に異物がないにもかかわらず、強い違和感や圧迫感を感じる状態です。
検査で異常が見つからないため、周囲に理解されにくく、本人だけが苦しむケースも少なくありません。症状は人それぞれで、飲み込みにくさや息苦しさを伴うこともあります。
東洋医学では、この喉の違和感を梅核気(ばいかくき)と古くから呼んでいました。梅の種が喉に引っかかったような感覚という意味で、現代の症状とまったく同じ状態を指しています。
興味深いのは、西洋医学が精神的な要因に注目するのに対し、東洋医学では気の滞りという概念で捉えている点です。気の流れが滞ることで、喉に不快感が生じると考えられてきました。
喉に異常がないのに症状が出る理由は、心と身体のつながりにあります。現代社会で避けられないストレスが、自律神経を通じて喉の筋肉に影響を与えているのです。この仕組みを理解することが、改善への第一歩となります。
ストレスを感じると、自律神経のうち交感神経が優位になります。この状態が続くと、食道や喉周辺の筋肉が過剰に収縮し、喉の詰まり感や圧迫感を引き起こすのです。
真面目で責任感が強い方、完璧主義の傾向がある方は、知らず知らずのうちにストレスを溜め込みやすく、このような症状が出やすいと言われています。
東洋医学では、精神的なストレスによって肝の働きが乱れ、気の巡りが悪くなると考えます。気が滞ると、喉を含む身体のさまざまな場所に不調が現れるのです。
症状が日によって変わったり、気分によって強くなったり弱くなったりするのは、まさに気の滞りの特徴です。この視点から施術を行うことで、根本的な改善につながります。
東洋医学では、身体の特定の点を刺激することで気の流れを整え、症状を改善する方法が古くから伝わっています。喉の不快感に対しても、効果が期待できるツボがいくつか存在します。ここでは、臨床経験から特に効果的なツボをご紹介します。
中脘は、みぞおちとおへその真ん中に位置するツボです。胃の中心にあるこのツボは、胃の不快感や胃もたれを取り除く効果があります。東洋医学では、胃の気が上がってこないことで喉の症状が出ると考えられており、中脘にお灸をすることで自律神経が整い、喉の梅核気が改善されるのです。
膻中は、左右の乳頭を結んだ線の中央、胸骨の上に位置するツボです。ストレスによって胸が苦しくなったり、呼吸が浅くなったりする方に特に効果的なツボとされています。
四指を立てた状態で広範囲にツボを押し、上下に擦るようにマッサージすると、胸が温かくなり呼吸が楽になります。喉の緊張も同時にほぐれていく感覚を得られるでしょう。
天突は、鎖骨の間のくぼみに位置するツボで、喉の症状に直接働きかけます。咳や痰、喉の痛みなど、喉のさまざまな不調に用いられてきました。このツボを優しく刺激することで、喉周辺の筋肉の緊張がほぐれ、詰まり感が和らいでいきます。強く押しすぎないよう、軽く触れる程度の刺激が適切です。
合谷は、手の甲側、親指と人差し指の骨が交わる場所のやや人差し指寄りに位置します。万能のツボとも呼ばれ、自律神経を整える働きがあります。精神的な原因から自律神経が乱れて発症する咽喉頭異常感症に対し、合谷の刺激は効果が期待できます。喉の炎症や声のかすれにも効果があるとされています。
神門は、手首の内側、小指側の少しくぼんだ場所にあるツボです。精神を安定させる効果があり、心に働きかけて気持ちを和らげてくれます。咽喉頭異常感症の原因となる精神的なストレスに対して、神門の刺激は心を鎮める作用が期待できます。不安感が強いときに特に有効なツボです。
ツボの位置を知っても、どのように刺激すればよいか分からない方も多いでしょう。ここでは、自宅で簡単にできる具体的なセルフケア方法をお伝えします。毎日続けることで、徐々に症状の改善が期待できます。
喉仏を中心に、左右のくぼみの部分をホッカイロや蒸しタオルで温めてみてください。温めることで血流が改善し、筋肉の緊張がほぐれます。当院でこのセルフケアを患者様に推奨したところ、7割近くの方が温めると楽になるという反応がありました。簡単な方法ですが、効果は期待できます。
ストレスが原因の症状には、意識的にリラックスする時間を持つことが重要です。深呼吸や瞑想、趣味の時間を持つなど、自分に合ったリラクゼーション法を見つけましょう。
規則正しい生活リズムを心がけ、快適な睡眠環境を整えることで、疲労回復やストレス軽減が期待できます。睡眠の2時間前には食事や入浴を済ませると、眠りの質が高まります。
セルフケアで改善が見られない場合や、症状が長引いている場合は、専門的な鍼灸治療をお勧めします。東洋医学に基づいた施術は、身体全体のバランスを整えながら、根本的な改善を目指すことができます。
当院では、気診という東洋医学独自の検査法を用いて、症状の根本原因を特定します。筋反射テストによって、どこに気の滞りがあるのか、自律神経のバランスはどうなっているのかを確認していきます。
一人ひとりの状態は異なるため、画一的な施術ではなく、その方に最も適したツボを見つけて施術を行うことが重要です。これが30年間で17万人以上の実績につながっています。
交感神経が副交感神経よりも過剰に働いている状態を改善するため、まず自律神経の調節、特に副交感神経の働きを促す施術を行います。手足やお腹のツボを使って自律神経を整え、それから首や喉周辺の筋肉を緩めることで症状改善を図ります。髪の毛ほどの細さの鍼を使用するため、痛みはほとんど感じません。
慢性化した症状の場合、東洋医学に基づく体質改善の鍼灸治療で改善することができます。免疫系が正常に働くことで、喉の粘膜の知覚過敏が鎮静し、症状が改善されていくのです。週1回のペースで通院し、5回目の施術を過ぎた頃から徐々に喉の圧迫感が減り、仕事に集中できるようになったという事例も多くあります。
鍼灸治療に加えて、東洋医学には漢方薬という選択肢もあります。特に交感神経の興奮によって起こる喉の異物感に対しては、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)という漢方薬が第一選択として用いられることが多くあります。
半夏厚朴湯は、不安や気分の落ち込みを和らげ、ストレスによる喉のつかえ感を改善する作用があります。脳内でセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンの濃度を上昇させることが報告されています。体力中等度以下の方で、顔色がすぐれず、神経症的傾向があり、喉が塞がる感じを訴える場合に用いられます。副作用や眠気、依存性が目立たないのが特徴です。
漢方薬は効果がゆっくりで個人差がありますが、基本的には1か月程度継続して服用することで効果が期待できます。1日2回から3回、粉か錠剤で食前に使用するのが一般的です。10代の方や高齢者など、副作用が気になる場合には特に適した選択肢となります。鍼灸治療と併用することで、相乗効果も期待できるでしょう。
当院では、初回の問診と検査に多くの時間を費やし、根本原因を特定することを重視しています。喉の症状だけでなく、心と身体全体のバランスを整えることで、再発しにくい健康な状態を目指します。
まず、唾液を用いた検査機器で現在のストレス度を数値化します。数字で客観的に把握することで、自分では気づいていなかったストレスの程度が分かります。その後、気診という筋反射テストで、身体と心の状態を詳しく検査していきます。脈やお腹に触れずに行うため、身体への負担はありません。
気診検査をもとに、あなたの治癒能力を高めるツボを見つけ、はり灸、気功、整体で症状を改善し、心と身体のバランスを整えていきます。子供でも安心して受けられる優しいツボ施術です。施術後には再度、身体と心の状態を確認し、今後の治療方針、治療期間、理想的な治療頻度についてお話しします。2回目来院時には、過去のデータをもとに最適な通院ペースを記載した治療計画書をお渡しします。
喉の詰まり感は、検査で異常が見つからないからこそ、周囲に理解されにくく一人で悩んでしまいがちです。しかし東洋医学では、この症状を梅核気として古くから認識し、効果的なツボや施術法を確立してきました。
ストレスや自律神経の乱れが原因である以上、その根本にアプローチすることが大切です。セルフケアから始めて、必要に応じて専門的な鍼灸治療を受けることで、多くの方が改善しています。
当院では30年間で17万人以上の施術実績があり、同じような症状で来院された多くの方が、心と身体のバランスを取り戻されています。喉の不快感でお悩みの方は、一度東洋医学の視点からのアプローチを試してみてはいかがでしょうか。