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ちょっとした段差でグキッと足首をひねってしまった経験はありませんか。スポーツをしている最中や階段を降りるとき、何気ない日常の動作で足首を痛めてしまう方は少なくありません。
しかも一度痛めると、なぜか同じ場所を何度も繰り返し傷めてしまう。このような経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。実はこの現象には明確な医学的理由があり、適切な対処をしなければ関節の不安定さはどんどん増していきます。
痛みが引いたから治ったと思っていても、実は身体の中では完全に回復していないことがほとんどなのです。30年間で17万人以上の方々に施術を行ってきた経験から、東洋医学の視点で足首の問題を根本から見直すことの重要性を実感しています。
今回は、なぜ足首の損傷を繰り返してしまうのか、その本当の原因と東洋医学による改善アプローチについて詳しくお話しします。
一度足首を傷めてしまうと、なぜか同じ場所を何度も痛めてしまう経験をされている方は多いでしょう。これは決して偶然ではなく、身体が発している重要なサインです。
多くの方は痛みが引いた時点で完治したと判断し、普段通りの生活に戻ってしまいます。しかし痛みが消えたからといって、損傷した組織が完全に元の状態に戻ったわけではありません。関節を支える靭帯や周囲の筋肉は、本来の強度を取り戻すまでに時間が必要です。
回復が不十分な状態で負荷をかけてしまうと、さらに損傷が重なり悪循環に陥ります。この状態が続くと、ちょっとした動作でも関節が不安定になり、いわゆる「癖になった」状態になってしまうのです。
同じ場所を何度も痛めてしまうのには、医学的に明確な理由があります。ここでは特に重要な3つの原因について詳しく見ていきましょう。
過去に損傷した靭帯は、適切な治療とリハビリを行わないと本来の強度を取り戻せません。靭帯は関節の動きを一定の範囲に制限する役割を持っていますが、損傷によって伸びきった状態や部分的に断裂した状態のままになると、関節を適切に支えられなくなります。
この状態が続くと、わずかな動作でも関節が過度に動いてしまい、再び同じ部位を痛めやすくなります。さらに放置すると関節の軟骨が擦り減り、将来的に変形性関節症のリスクも高まるのです。
東洋医学では、この状態を経絡の流れが滞った状態と捉えます。気血の巡りが悪くなることで、組織の修復が遅れ、本来の強度が戻らないと考えられています。
痛めた後のリハビリ不足は、足首を支える筋肉の筋力低下を招きます。特に前脛骨筋や腓骨筋といった足首の安定性に関わる筋肉が弱くなると、体重を適切に支えられず不安定な状態が続きます。
また損傷後に筋肉が硬くなり柔軟性が低下すると、関節の可動域が制限されてしまいます。可動域が狭くなった関節は、急な動きに対応できず、さらに損傷しやすい身体になるのです。
東洋医学では、筋肉の硬さや柔軟性の低下は気血の滞りによるものと考えます。血液循環が悪くなることで筋肉に栄養が届かず、回復が遅れてしまうのです。ツボ施術で血液循環を改善することで、筋肉の柔軟性を取り戻すことができます。
あまり知られていませんが、同じ場所を繰り返し痛める最も重要な原因の一つが固有受容感覚の低下です。
固有受容感覚とは、自分の身体がどこにあるか、どう動いているかを感じ取る能力のことです。足首の位置や動作を無意識に感知してバランスを保っているのですが、損傷によってこの感覚が低下すると、足首が不安定な位置にあっても身体が気づかないのです。
結果として、危険な姿勢のまま体重をかけてしまい、再び同じ部位を痛めてしまいます。この感覚を回復させることが、再発予防において極めて重要なのです。
| 原因 | 身体の状態 | 東洋医学的解釈 |
|---|---|---|
| 靭帯の緩み | 関節を支える力が弱くなり不安定 | 経絡の流れが滞り組織修復が遅れる |
| 筋力低下・柔軟性欠如 | 足首を支える力が不足し可動域が狭い | 気血の巡りが悪く筋肉に栄養が届かない |
| 固有受容感覚の低下 | 足首の位置感覚が鈍くバランスが悪い | 身体全体の気のバランスが崩れている |


足首の損傷に対する治療には西洋医学的なアプローチと東洋医学的なアプローチがあり、それぞれに特徴があります。両者の違いを理解することで、より効果的な治療選択が可能になります。
西洋医学では急性期にはRICE療法が基本となります。Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の4つの処置で炎症を抑え、腫れを軽減させます。
その後はリハビリテーションとして筋力強化やバランストレーニングが行われ、重症例では手術が選択されることもあります。この方法は損傷部位に直接アプローチする対症療法が中心です。
痛みや炎症といった目に見える症状に対して的確に対処できる点が西洋医学の強みといえるでしょう。
東洋医学では足首の損傷を単なる局所的な問題としてではなく、身体全体の気血の流れの滞りとして捉えます。
特に損傷部位には瘀血(おけつ)という血液の停滞が生じ、この滞りが痛みや腫れ、治癒の遅れを引き起こすと考えられています。また身体のバランスが崩れることで、特定の部位に負担がかかりやすくなり、同じ場所を繰り返し痛める原因になるのです。
気診という筋反射テストを用いて、どこに気血の滞りがあるかを特定し、最も効果的なツボに鍼灸施術を行います。この方法により、局所だけでなく身体全体のバランスを整えることで、自然治癒力を高めていきます。
東洋医学では足首の損傷に対して特定のツボが効果的とされています。ここでは特に重要なツボをご紹介します。
外くるぶしのすぐ後ろ、アキレス腱との間にあるこのツボは、足首の損傷に対して最もよく使用される重要なポイントです。痛みや腫れを軽減させるだけでなく、足の疲れやむくみにも効果があります。
気診でこのツボの反応を確認しながら、髪の毛ほどの細さの鍼で優しく刺激していきます。痛みを伴わない施術ですので、鍼が初めての方でも安心して受けていただけます。
丘墟は外くるぶし下方のくぼみに、商丘は内くるぶし下方のくぼみに位置します。これらのツボは損傷後の痛みを軽減し、関節の安定性を高める働きがあるとされています。
アイシング後にこれらのツボに施術することで、炎症の引きが早まり回復が促進されます。また慢性的な不安定感に対しても、継続的な施術で改善が期待できるのです。
足の甲、第4指と第5指の間を5〜6センチたどった位置にあるツボです。あまり知られていませんが、足関節の痛みに高い効果を発揮するツボで、押さえるとじんわりと心地よい感覚があります。
このツボに鍼と電気刺激を組み合わせた低周波鍼療法を行うこともあります。微弱な電気刺激により、深部の筋肉まで効果的にアプローチできます。
治療と並行して、日常生活での予防策も重要です。ここでは自宅で簡単にできるセルフケアをご紹介します。
身体を温めて関節の可動域を広げることで、損傷のリスクが大幅に減少します。特にラジオ体操のような全身運動が効果的です。朝起きたときや運動前には、必ず5分以上のウォーミングアップを行いましょう。
ふくらはぎやアキレス腱を中心にストレッチを行うことで、足首の柔軟性が高まります。無理のない範囲でゆっくり伸ばすことがポイントです。
不安定な足首を物理的にサポートすることで、再発を防ぎます。スポーツをするときや長時間歩くときには、サポーターの使用をおすすめします。
ただし長期間の使用は筋力低下を招くため、徐々に外していく計画が必要です。リハビリで筋力が戻ってきたら、少しずつサポーターに頼らない時間を増やしていきましょう。
つま先立ちや片足立ちなどの簡単なトレーニングを毎日続けることで、関節の安定性が高まります。以下のような運動を1日10分程度行うと効果的です。
これらの運動はテレビを見ながらでもできますので、無理なく継続することが大切です。
足に合わない靴は足首の不安定性を助長します。サイズが大きすぎたり小さすぎたりする靴、かかとが高すぎる靴は避けましょう。自分の足型に合った靴を選ぶことが重要です。
また足のアーチをサポートするインソールを使用することで、足首への負担を軽減できます。スポーツ用品店や整形外科で専門家に相談してみるとよいでしょう。
同じ場所を繰り返し痛めないためには、痛みがなくなったからといって治療を中断しないことが最も重要です。多くの方が痛みが引いた時点で治療をやめてしまいますが、靭帯の修復や筋力の回復には時間がかかります。
当院では初回の検査結果と施術の反応をもとに、過去のデータベースと照合して最適な治療計画書を作成します。計画に沿って継続的に施術を受けていただくことで、繰り返さない強い身体づくりをサポートします。
また東洋医学の視点では、身体だけでなくこころのストレス状態も回復に影響を与えると考えています。ストレスが多いと自律神経のバランスが崩れ、血液循環が悪くなり、治癒が遅れてしまうのです。
当院では唾液によるストレス検査も行い、こころと身体を同時に整えることで、真の健康を目指していきます。鍼灸気功整体を統合した優しいツボ施術で、自然治癒力を高めながら症状改善に導きます。
何度も同じ場所を痛めてしまう状態は、単なる癖ではなく身体からの重要なメッセージです。靭帯の緩み、筋力低下、固有受容感覚の低下という3つの主な原因に対して、東洋医学の視点から根本的にアプローチすることが大切です。
西洋医学の対症療法だけでなく、東洋医学の全身的なアプローチを組み合わせることで、繰り返さない身体を作ることができます。気診という独自の検査法で原因を特定し、最も効果的なツボに鍼灸施術を行うことで、自然治癒力を高めていきます。