
院長:泉お気軽にご相談ください!


こんにちは。富山寿楽堂鍼灸院・整体院院長の泉賢秀(いずみけんしゅう)です。今日は、日常のちょっとした疑問から来院につながったあるエピソードをきっかけに、このテーマを書かせていただきます。
「温湿布を首に貼ったけど、なんとなく効いている気がしない」「冷湿布と温湿布、どちらを貼ればいいのかわからない」そんなお声をよく耳にします。首の痛みに悩む方のほとんどが、まず湿布に頼るのは自然なことです。
でも、温湿布を正しく理解して使えている方は、意外と少ないのではないでしょうか。今回は、温湿布の仕組みや使い方の注意点を丁寧にお伝えしながら、「湿布ではなかなか楽にならない」という方へ、東洋医学の視点から根本的な原因についてもお話しします。


30年で17万人以上の方を診てきましたが、首の痛みで来院される方の多くが「湿布を貼り続けてきたけど良くならなくて…」とおっしゃいます。湿布は痛みをやわらげるツールのひとつですが、首の痛みの根っこを絶つものではありません。
温湿布は「温かくなる湿布」だと思っている方が多いですが、実はそうではありません。このことを知るだけで、湿布に対する見方がガラッと変わります。
温湿布の多くには、唐辛子の辛み成分であるカプサイシンが含まれています。このカプサイシンが皮膚にある温感受容体(TRPV1)を刺激することで「じんわり温かい」と感じます。実際に体温が上がったり、患部の深部が温まるわけではないのです。
温かく感じる感覚そのものが、痛みの感覚を緩和してくれる働きをします。これを「対刺激療法(カウンターイリテーション)」といい、皮膚への刺激が脳への痛み信号を部分的に遮断する仕組みです。
冷湿布の主成分はメントールで、皮膚の冷感受容体を刺激することで「ひんやり冷たい」と感じます。どちらも実際に患部の温度を大きく変えるわけではなく、感覚神経への刺激によって痛みの感じ方を変えている点では同じです。
| 種類 | 主な成分 | 感覚 | 向いている症状 |
|---|---|---|---|
| 温湿布 | カプサイシン・ノニル酸ワニリルアミド | じんわり温かい | 慢性的な首こり・肩こり・腰痛 |
| 冷湿布 | メントール・l-メントール | ひんやり冷たい | 急性の炎症・ぎっくり腰・捻挫直後 |
共通して含まれている消炎鎮痛成分(インドメタシン・ケトプロフェンなど)が痛みや炎症を鎮める本来の働きをしており、温湿布か冷湿布かという違いは「温感・冷感の刺激の違い」であって、鎮痛成分の効き目はほぼ同じと考えていいでしょう。
「では、首に温湿布を貼る意味はあるの?」という疑問は当然です。正直にお伝えします。症状の状態と段階によって、効果は大きく変わります。
長時間のデスクワークやスマートフォンの使いすぎで首がこわばっている状態、つまり急性の炎症がない慢性的なコリには、温湿布の温感刺激が筋肉の緊張をゆるめるサポートになります。血行が促されるような感覚的な効果もあり、じんわりとした温かさが心地よいと感じる方も多いです。
ただし、これはあくまで「その場の楽さ」であることを理解しておく必要があります。
首の痛みの背景には、姿勢のくせ、筋力バランスの乱れ、自律神経の乱れ、内臓の疲れ、さらには精神的なストレスまで、実に多くの要因が絡んでいます。湿布はその表面的な痛みの感覚を一時的に鎮めるものですが、こうした複雑な原因そのものには作用できません。
当院に来院される方の中にも、「何年も湿布と痛み止めを繰り返してきたけれど、一向に良くならない」という方が後を絶ちません。それは湿布が悪いのではなく、根本の原因が解消されていないからです。
温湿布には皮膚への刺激が強い側面もありますので、次のような点に気をつけてお使いください。
また、首まわりは皮膚が薄く敏感です。貼った後にこすれたり、衣類の摩擦でかぶれが起きることもありますので、普段よりも短い時間から試してみることをおすすめします。


ここで少し立ち止まって、あなた自身のことを確認していただきたいのです。次のような状態に心当たりはありませんか?
これらに複数当てはまる場合、首の痛みの背景には筋肉や骨だけでなく、自律神経や内臓の疲れ、精神的なストレスが深く関わっている可能性があります。
東洋医学では、首は「気の通り道」の要所と考えます。気血の巡りが滞ると、首や肩周辺に緊張や痛みが生じやすくなります。西洋医学的な検査で異常が見つからない痛みや重だるさの多くは、この「気血の滞り」が原因であることが少なくありません。
当院では唾液によるストレス検査と、独自の気診(筋反射テスト)を用いて、身体の内側の状態を丁寧に読み解いていきます。これにより、「なぜこの首の痛みが起きているのか」という原因を多角的に把握できるのです。
首には迷走神経をはじめとする多くの自律神経が走っています。長期的なストレスや睡眠不足が続くと、自律神経のバランスが崩れ、首や肩周りの筋肉が慢性的に緊張した状態になります。この状態に湿布を貼り続けても、根本には届きません。
「最近、仕事のプレッシャーが強くて」「なんとなく眠りが浅い」という方の首の痛みが、鍼灸施術で自律神経を整えることによってスーッと楽になるケースを、私はこれまで数えきれないほど経験してきました。
湿布を否定しているわけではありません。急な痛みの応急処置として、日常のセルフケアの一環として、温湿布には確かな役割があります。ただ、それだけに頼り続けることが最善かどうかは、冷静に見直してみてほしいのです。
温湿布の効果を少しでも高めるために、次のことを併用してみてください。貼るだけより、ずっと変わります。
長年の首の痛みが湿布と痛み止めだけでは解消しないとしたら、それはあなたの身体が「根っこを診てほしい」と訴えているサインかもしれません。当院ではこころと身体の両面から状態を丁寧に診ながら、一人ひとりに合った優しいツボ施術でアプローチしていきます。
施術は痛みを伴わないソフトなもので、髪の毛ほどの細さの鍼を使います。鍼灸が初めての方、鍼が怖いと感じている方にも、安心してご来院いただいています。
約30年で17万人以上の方を施術させていただいた経験の中で、首の痛みが根本から楽になった方には共通する変化があります。
「施術の後、初めてぐっすり眠れた」という声をよく聞きます。首の痛みが緩和されることで、睡眠の質が上がり、自然治癒力が高まる好循環が生まれます。そしてその積み重ねが、薬や湿布に頼らない身体へとつながっていくのです。
東洋医学では、身体の不調は「バランスの乱れ」と捉えます。どこかひとつを無理に抑えるのではなく、全体のバランスを整えることで、本来持っている治る力が最大限に発揮される。それが当院の考え方です。
デスクワークが続くと首の後ろがズーンと重くなり、整形外科でストレートネックと言われ湿布や痛み止めを繰り返してきたという50代の女性の方が来院されました。通い始めてしばらくすると、自律神経の乱れや身体の冷えが首の緊張と深く関係していることがわかり、全身のバランスを整える施術を続けたところ、「あれほど辛かった重だるさが少しずつ軽くなり、仕事後の疲れの残り方もまるで違う」と喜んでいただけました。
今では月に1回のメンテナンスで快適な日常を送られています。「首の痛みは姿勢や年齢のせいと諦めていましたが、根本から整えることで本当に変われるのだと実感しました」というお言葉が、とても印象に残っています。
温湿布は、首の痛みをやわらげるひとつの手段です。でも、それは「痛みと付き合い続けること」とイコールではないはずです。あなたには、痛みのない、軽やかな毎日を過ごす権利があります。
湿布を貼ってもすぐに戻る、もうずっとこのままなのかな、そんなふうに一人で抱え込まないでください。東洋医学の力と30年の実績で、あなたの身体としっかり向き合います。いつでも、気軽にご相談ください。きっと、一緒に答えを見つけられます。

