
院長:泉お気軽にご相談ください!


手術を終えて、ほっとした気持ちの一方で「これから何をすればいいのだろう」と不安を感じていませんか。脊柱管狭窄症の術後は、リハビリの進め方ひとつで回復のスピードが大きく変わってきます。
焦りすぎず、でも動かなさすぎず。そのさじ加減が、実はとても大切なのです。
今回は、手術後の回復期に何をどう取り組めばいいのか、自宅でできるケアも含めてていねいにお伝えしていきます。


手術を乗り越えた方こそ、ここからのリハビリが回復の鍵になります。30年間で17万人以上の方を施術してきた経験からいっても、術後のケアをしっかり続けた方ほど、日常生活への復帰が早く、再発も少ない印象があります
「手術が終わったばかりなのに、もう動くの?」と驚かれる方も多いのですが、脊柱管狭窄症の手術後のリハビリは、実は術翌日から始まることがほとんどです。早期に体を動かすことで、血行が促進され、筋肉の衰えを防ぐことができます。
入院中は理学療法士さんの指導のもと、ベッド上での足首の運動や寝返り練習から始まります。数日後には歩行訓練へと進み、退院に向けて徐々に動ける範囲を広げていくのが一般的な流れです。
手術の術式によって多少の違いはありますが、一般的に入院期間は1〜3週間ほど。退院後も、外来リハビリや自宅でのセルフケアを3〜6ヶ月程度続けることが回復への近道です。
入院中は段階的にリハビリが進んでいきます。焦る気持ちもわかりますが、まずは体の回復に合わせてゆっくり取り組むことが大切です。
術後最初の段階では、ベッドに横になったままできる運動が中心です。足首をくるくると回したり、足の指をぐっと曲げたりするだけで、血行を保つことができます。
深呼吸もとても重要です。腹式呼吸を意識することで、体幹のインナーマッスルにやさしく刺激が入り、術後の回復を助けてくれます。「呼吸がリハビリになるの?」と思うかもしれませんが、これが後の体幹トレーニングの土台になるのです。
術後2〜3日目を目安に、理学療法士さんのサポートのもとで立ち上がる練習が始まります。最初は数歩歩けるだけでも、体にとっては大きな一歩です。
歩行補助具(歩行器や杖)を使いながら少しずつ歩く距離を伸ばしていきます。コルセットを装着して腰を安定させながら行うことが多く、無理のないペースで歩行距離を伸ばすことが、術後の回復を左右する最重要ポイントです。
退院してからが、ある意味でリハビリの本番と言えるかもしれません。病院から離れると「これでいいのかな」と不安になることもありますよね。以下に、自宅でも取り組みやすい方法をまとめました。
脊柱管狭窄症の術後に特に大切なのが、背骨を支える「体幹」のトレーニングです。ただし、腰に負担をかけずに行えるものから始めることが前提です。
おすすめなのが「ドローイン」という腹部のインナーマッスルを鍛える方法です。仰向けに寝た状態で、息をゆっくり吐きながらお腹をへこませ、その状態を10秒ほどキープします。これを5〜10回繰り返すだけで、体幹への刺激になります。
慣れてきたら「ブリッジ運動」も効果的です。仰向けで膝を立て、お尻をゆっくり持ち上げて5秒キープ。腰に痛みが出ない範囲で取り組んでみてください。
術後は筋肉が硬くなりやすいため、ストレッチも欠かせません。股関節や太ももの裏(ハムストリングス)の柔軟性を高めることで、腰への負担が軽くなります。
仰向けに寝て片方の膝を胸に近づける「膝抱えストレッチ」は、腰まわりをやさしくほぐしてくれます。痛みが出ない範囲で、左右それぞれ20秒ほどキープするだけで構いません。
退院後は、無理のない範囲でのウォーキングが回復促進に有効です。最初は10〜15分程度の短い散歩から始め、体の状態を見ながら少しずつ時間を伸ばしていきましょう。
歩く姿勢も意識してみてください。前屈みにならず、やや前を向いて歩くことで脊柱管への負担が減ります。「間欠性跛行」といって、少し歩くと足が痛くなったり、しびれたりする症状があった方も、術後は歩ける距離が延びてくるはずです。


回復を急ぐあまり、かえって体を痛めてしまうケースも少なくありません。以下の点はとくに気をつけていただきたいと思います。
コルセットについては、医師の指示に従うことが大前提です。一般的には術後3ヶ月程度使用することが多いですが、自己判断で早めに外すことは再発リスクにつながる場合があるため注意が必要です。
手術を受けたにもかかわらず、足のしびれや痛みが残っているという方は、実は少なくありません。手術で神経の圧迫は取り除かれても、長期間圧迫されていた神経そのものの回復には時間がかかることがあります。
神経は非常に繊細な組織で、損傷の程度によっては回復に数ヶ月から1年以上かかることもあります。「手術が失敗だったのでは」と悩む方もいらっしゃいますが、必ずしもそうではなく、神経回復の途中段階として経過をみることが大切です。
そのような時期に鍼灸施術が補完的な役割を果たせることがあります。鍼灸は血行を促進し、神経のまわりの炎症を和らげ、体本来の自然治癒力を高める働きがあります。当院でも術後に残る下肢のしびれや腰の違和感でご相談にいらっしゃる方がおられます。
「いつ普通の生活に戻れるのか」は、術後の方が最も気になる点のひとつではないでしょうか。復帰の時期は手術の内容や術後の回復状況によって個人差がありますが、おおむねの目安をお伝えします。
| 内容 | 目安の時期 |
|---|---|
| 短時間のウォーキング | 退院直後〜1週間 |
| デスクワークへの復帰 | 1〜2ヶ月 |
| 軽い家事・買い物 | 1〜2ヶ月 |
| コルセット卒業 | 術後3ヶ月前後(医師の判断による) |
| 軽作業・農作業など | 3〜6ヶ月 |
| 重労働・スポーツ | 6ヶ月〜1年以上 |
焦る気持ちはとてもよくわかるのですが、「もう大丈夫だろう」と思って無理をしてしまうことが、再発や後遺症を長引かせることにつながります。主治医の先生やリハビリの先生とよく相談しながら、段階的に復帰していきましょう。
東洋医学の視点からお伝えすると、手術後の体というのは大きなダメージを受けた状態です。「気血の流れが乱れ、自然治癒力が著しく低下した状態」と捉えることができます。
当院では術後の方に対して、体全体の気血の巡りを整えることを最優先に施術します。腰や足まわりの血流を高め、神経の回復を促すとともに、手術後の疲弊した体全体の回復を後押しします。
30年間で17万人以上の方を施術してきた経験のなかで、術後のリハビリと並行して鍼灸を受けた方が、症状の改善が早かったと感じるケースが多くあります。「病院のリハビリだけで大丈夫かな」と感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。
「毎日続けなければ」と頑張りすぎてしまうと、疲れてしまうこともあります。完璧にやろうとしなくて大丈夫です。
大切なのは、無理なく長く続けることです。たとえ今日は少ししかできなかったとしても、明日また続ければいい。そういう気持ちで取り組んでいただくことが、長期的な回復につながります。
しびれが残っていても、痛みがあっても、それはまだ回復途中のサインです。あなたの体はちゃんと治ろうとしています。
術後の回復に「正解の道」はひとつではありません。主治医のリハビリに加え、東洋医学のサポートを組み合わせることで、より自分らしい回復の道が見えてくることがあります。一人で抱え込まず、気になることがあればいつでもご相談いただければ嬉しいです。