
院長:泉お気軽にご相談ください!


胚移植を控えているあなた、または移植を繰り返しても結果が出ずに心が折れそうになっているあなた。「まだできることがあるんじゃないか」と、今日もスマホで検索していませんか?
そのお気持ち、よくわかります。高額な治療費を払い、採卵・移植を重ねるなかで、「どうして着床しないんだろう」という問いは、誰にも打ち明けにくい重さを持っています。当院にも毎月、不妊症でお悩みの方がたくさん来院されます。
そして多くの方が「鍼灸を取り入れたら、体の変化を感じた」「移植の結果が変わった」と話してくださっています。


胚移植を前にして、「あと何かできることはないか」と思っているなら、まず体の内側から整えることを考えてほしいのです。鍼灸が着床率にどう関わるのか、30年間向き合ってきた経験から、できるだけわかりやすくお伝えします
着床とは、受精卵(または移植した胚)が子宮内膜にしっかりと根を張るプロセスのことです。どれだけグレードの高い胚盤胞であっても、着床が成立しなければ妊娠には至りません。そしてこの「着床」という出来事は、実はとても繊細な条件のもとで起こっています。子宮内膜の状態、免疫のバランス、血液の流れ、ホルモンの分泌リズム、そして自律神経のはたらき——これらすべてが絡み合った上で、着床は成立します。
着床に必要な子宮内膜の厚さは一般的に8mm以上とされていますが、厚さだけが問題ではありません。内膜の質、つまり毛細血管がしっかりと発達して栄養や酸素が届いているかどうかが、着床の可否を大きく左右します。血流が滞っていると、内膜はたとえ厚くても「温度の低い土」のような状態になってしまいます。種をまいても芽が出にくい土、とイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
不妊治療中の方の多くは、想像以上のストレスを抱えています。採卵の痛み、移植結果を待つ不安、職場への配慮、パートナーとの温度差——こうした精神的な重荷は、自律神経を乱します。自律神経が乱れると交感神経が優位になり、末梢血管が収縮して子宮や卵巣への血流が低下します。つまり、ストレスが直接、子宮環境を悪化させるという仕組みがあるのです。これは東洋医学が長年伝えてきた「こころと身体はひとつ」という考え方と、現代医学の知見が重なる部分でもあります。
「鍼灸で着床率が変わるの?」と半信半疑の方もいらっしゃると思います。実は世界各国でこの研究が進んでいて、体外受精に鍼灸治療を組み合わせることで妊娠率の上昇が見られたという報告が複数あります。当院に来院される妊活目的の方の7割以上が、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療を並行して受けながら鍼灸を希望されています。
鍼灸が着床率に関わるとされる主な経路は、大きく3つに整理できます。
ツボへの刺激が末梢血管を拡張し、子宮内膜への血液供給を促します。内膜の質が高まり、着床しやすい環境が整いやすくなります。
副交感神経のはたらきを高めることで、体がリラックスモードに切り替わります。緊張状態にある体を「受け入れる体」に変えていくイメージです。
視床下部・下垂体へのアプローチにより、エストロゲンやプロゲステロンの分泌バランスが整いやすくなります。内膜の成熟タイミングが改善されることもあります。
鍼灸は継続してこそ効果が現れるものですが、特に胚移植の前後は集中的にケアすることが大切です。移植の直前に鍼灸を受けることで子宮の緊張がほぐれ、着床しやすい状態をつくれるという報告もあり、当院では移植周期に合わせた施術スケジュールをご提案しています。「移植当日の朝に来院される方」も珍しくありません。
東洋医学では、着床の難しさは単なる「子宮の問題」ではなく、全身のバランスの乱れとして捉えます。特に「瘀血(おけつ)」と呼ばれる血の滞りや、「腎虚(じんきょ)」と呼ばれる生命エネルギーの低下が、生殖機能に大きく影響すると考えられています。
手足は温かいのに下腹部が冷たい、生理前にひどく疲れる、経血が暗い色でドロッとしている——こうした症状は、東洋医学的に見ると子宮環境が整っていないサインである可能性があります。これらを「体質だから仕方ない」と諦めてしまっている方が多いのですが、鍼灸やお灸でアプローチすることで変化が現れることも少なくないのです。あなたの体に、もともとそなわっている「治る力」を引き出すことが、私たちの施術の根本にあります。


鍼灸と並行して、日常生活でも意識していただきたいことがあります。これは「できる範囲でいい」という気持ちで取り組んでください。完璧を目指すとそれ自体がストレスになってしまいますから。
子宮への血流を高めるために、毎日の生活の中でできることはたくさんあります。たとえばシャワーだけで済ませず湯船にゆっくり浸かること、冷たい飲み物を白湯や温かいハーブティーに替えること、足首を温めることも効果的です。骨盤まわりの筋肉をほぐすような軽いストレッチも、血の巡りを助けてくれます。
着床に関わる子宮内膜の質を高めるうえで、特に意識したい栄養素があります。
| 栄養素 | 主なはたらき | 含まれる食材 |
|---|---|---|
| 葉酸 | 細胞分裂のサポート・神経管閉鎖障害の予防 | ほうれん草、ブロッコリー、納豆 |
| ビタミンE | 血流改善・抗酸化作用 | アーモンド、かぼちゃ、アボカド |
| 鉄分 | 子宮内膜への酸素供給 | レバー、小松菜、あさり |
| ビタミンD | 免疫調整・着床サポート | 鮭、きのこ類、卵黄 |
| 亜鉛 | 卵子の質の維持・ホルモン合成 | 牡蠣、牛肉、ごま |
サプリメントで補うことも選択肢のひとつですが、まずは食事からバランスよく摂ることを心がけてみてください。
これが一番難しいのですが、一番大切なことかもしれません。「妊娠しなければいけない」という強いプレッシャーは、交感神経を慢性的に緊張させます。施術中に「なんだか最近、笑えていなかった気がします」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。体を整えることと同じくらい、心を整えることが妊活には欠かせないのです。
理屈よりも、実際に体験された方の言葉のほうが、より身近に感じていただけると思います。
グレードの良い胚を移植しても着床しない状態が続いていたSさん(30代)は、当院に通い始めて4か月ほどで移植した胚が着床し、現在妊娠3か月を迎えられています。「体の中から変わっていく感覚があった」とおっしゃっていました。人工授精3回でも授からなかったあかさん(30代)は、体外受精の採卵周期に当院の施術を取り入れたことで、採卵した卵のうち4個が胚盤胞に成長し、最初の凍結胚移植で妊娠判定を受けられました。不妊治療の移植に向けてメンタルと体調を整えるために来院されたY.Mさん(30代)は、次の移植を待たずに自然妊娠されたと喜びのご報告をくださいました。「施術の痛みはほとんどなく、通うことが良い息抜きになっていた」という言葉がとても印象的でした。
30年間で17万人以上の施術実績のなかで、妊活のご相談は特に多くのケースを積み重ねてきました。当院の施術の特徴は、「気診(きしん)」という筋反射テストを用いて、あなたの体がいま最も必要としているツボを一つひとつ丁寧に特定するところにあります。一般的な鍼灸院のように「不妊には三陰交」という型どおりのアプローチではなく、あなた固有の体の状態に応じた施術をしていきます。
初回には唾液を使ったストレス検査を行い、現在の自律神経の状態を数値化します。「そんなに疲れていたんですね」と驚かれる方も多いです。数値で確認できることで、施術の方針が明確になりますし、回を重ねるごとの変化も実感しやすくなります。ストレスの度合いが可視化されることで、「あ、体は正直だな」と自分の状態に気づいてもらえる機会にもなっています。
私は鍼灸師であると同時に、光山寺の住職でもあります。「医僧」として、体の不調の背景にある心の状態にも向き合い、施術の中でお話を聞かせていただくことも多いです。不妊治療の辛さは、なかなか言葉にできないものがあります。でもここでは、遠慮なく話してください。施術は「優しいツボ施術」と呼んでいるほど刺激が穏やかで、髪の毛ほどの細さの鍼を使います。痛みが苦手な方や鍼が初めての方にも、安心して受けていただいています。
移植を重ねても結果が出ないとき、「私の体はダメなんじゃないか」と思ってしまうことがあるかもしれません。でも、体はちゃんと変われます。30年間、そういう方たちと一緒に向き合ってきて、確信していることです。着床率を高めるために鍼灸ができることは、決して小さくありません。クリニックの治療と鍼灸は対立するものではなく、お互いを補い合う関係です。「何かもうひとつ、できることをしたい」と思っているなら、ぜひ一度当院にご相談ください。一人で抱え込まないでほしいのです。あなたの体のこと、あなたの気持ちのこと、一緒に考えさせてください。

