
院長:泉お気軽にご相談ください!


こんにちは。デスクワークが続いた後、立ち上がる時に股関節の奥がズーンと重く感じることはありませんか。朝起きる際に腰がこわばって、すぐには身体を動かせないという経験をされた方もいらっしゃるでしょう。
そうした症状の裏側には、身体の深い部分にある筋肉の問題が隠れていることがあります。股関節から腰にかけての痛みは、レントゲンでは異常が見つからないことも多く、原因が分からないまま我慢している方も少なくありません。
今日は、その痛みの原因として注目されている深層筋についてお話ししていきます
腰や股関節の痛みというと、多くの方は腰椎や骨盤の歪みを想像されるかもしれません。しかし実際には、表面からは見えない深層部の筋肉が大きく関わっているケースが少なくありません。特に長時間のデスクワークや立ち仕事を続けている方に多く見られる症状です。
身体には表層の筋肉と深層の筋肉があります。深層筋は姿勢を維持したり、関節を安定させたりする働きを担っています。中でも腰椎から大腿骨をつなぐ大きな筋肉は、立つ・歩く・座るといった基本動作すべてに関与しているのです。
この筋肉に問題が生じると日常生活に大きな支障をきたします。インナーマッスルの状態を正確に把握することが、根本的な改善への第一歩となります。
深層筋の問題による痛みには、いくつかの特徴的なパターンがあります。
こうした症状は、レントゲンやMRIでは異常が見つからないことも多く、原因不明として扱われがちです。しかし適切な検査と施術を行えば、改善の可能性は十分にあります。
深層筋への負担は、現代の生活習慣と密接に関係しています。私たちの祖先は狩猟や農耕で身体を動かす生活をしていましたが、現代人は座位姿勢が圧倒的に長くなりました。このライフスタイルの変化が筋肉のバランスを崩す大きな要因となっています。
デスクワークやスマートフォンの使用で座っている時間が増えると、股関節は常に曲がった状態になります。この姿勢が続くことで深層筋は短縮したまま固まってしまうのです。
立ち上がった時に十分に伸びなくなった筋肉は、無理に引き伸ばされることで痛みを発します。筋肉が硬くなると血流も低下し、老廃物が蓄積して違和感を引き起こします。
European Spine Journalの研究でも、この筋肉の筋力低下が慢性腰痛の独立したリスク因子であることが報告されています。
深層筋が硬くなると骨盤が前に傾き、いわゆる反り腰の状態になります。この姿勢では腰椎への負担が増大し、椎間板や椎間関節にも過剰なストレスがかかります。
さらに腰椎に付着している筋肉が腰椎を強く前方に引っ張るため、腰部全体の痛みにつながっていきます。姿勢の歪みは一か所の問題にとどまらず、全身のバランスを崩す原因となるのです。
痛みがあると動くのが億劫になり、運動量が減ります。するとインナーマッスルの筋力はさらに低下し、より痛みを感じやすくなるという悪循環に陥ります。
特に40代以降は筋肉量が自然に減少していく時期でもあるため、意識的なケアが必要になってきます。筋力低下を防ぐには、痛みが軽いうちから適切な対処を始めることが重要です。


初期段階では軽い違和感程度だった症状も、放置することで徐々に悪化していきます。数年前から違和感があったものの我慢し続けた結果、日常生活に支障が出るほど悪化してしまったケースも少なくありません。
最初は立ち上がる時だけだった痛みが、歩行中や階段の上り下りでも感じるようになります。さらに進行すると安静時にも痛みを感じるようになり、睡眠の質にも影響を及ぼすのです。
また股関節だけでなく、太ももの前面や下腹部にまで痛みが広がることもあります。痛みの範囲が広がるほど、日常動作の制限も増えていきます。
腰部の痛みをかばうために無意識に姿勢を変えると、今度は肩こりや首の痛み、膝の痛みなど別の部位にも症状が現れます。これは身体全体の運動連鎖が破綻した状態です。
一か所の問題が全身に波及していく典型的なパターンといえるでしょう。早期に根本原因にアプローチすることで、こうした二次的症状を防ぐことができます。
過度に緊張した深層筋は、周囲を通る神経を圧迫することがあります。特に腰神経叢や大腿神経が圧迫されると、太ももの前面や膝にかけてのしびれや違和感が生じることもあるのです。
神経症状が出現すると回復にも時間がかかるため、そうなる前の対処が望ましいといえます。
西洋医学では筋肉や骨格の構造的な問題として捉えますが、東洋医学ではもっと広い視野で身体全体のバランスを見ていきます。鍼灸治療は深層筋の問題に対して有効なアプローチの一つです。
表面からのマッサージでは届きにくい深層筋に対して、鍼は直接的にアプローチできる優れた治療法です。鍼灸治療には筋肉の緊張を緩める効果だけでなく、体内のエンドルフィンやセロトニンといった自然の鎮痛物質を放出させる作用もあります。
また炎症部分の修復機能を促進し、根本的な改善につながります。鼠径部に位置するツボを活用することで、深層筋の血流と神経の循環を促進できるのです。
この部位への鍼治療は、腰部だけでなく太ももや下腹部に飛ぶ痛みにも効果的とされています。
鍼灸だけでなく、気功と整体を組み合わせることで全身のバランスを整えることができます。身体に優しい施術で自然治癒力を高め、症状改善はもちろん再発予防までサポートします。
痛みのある部位だけでなく、全身の気の流れを整えることで、根本的な体質改善を目指すのが東洋医学の特徴です。


施術による改善も大切ですが、日常生活での意識的なケアがあってこそ効果は持続します。ここでは誰でも簡単に取り組める方法をいくつかご紹介します。ただし痛みが強い時は無理をせず、まずは専門家に相談することをおすすめします。
長時間座る際は、1時間に一度は立ち上がって軽く身体を動かしましょう。椅子に深く腰掛け、骨盤を立てた姿勢を意識します。
デスクワークの方は、パソコン画面の高さを目線に合わせることで、自然と良い姿勢を保ちやすくなります。足を組む癖がある方は、できるだけ両足を床につけるよう心がけてください。
日常の何気ない動作を見直すだけでも、深層筋への負担を大きく減らすことができます。
| 動作 | 注意点 |
|---|---|
| 朝起きる時 | 急に起き上がらず、一度横向きになってから起きる |
| 重いものを持つ時 | 腰を落とし、膝を使って持ち上げる |
| 長時間の立ち仕事 | 片足ずつ台に乗せて交互に休ませる |
| 就寝時 | 仰向けで膝の下にクッションを入れると腰への負担が軽減される |
これらの工夫を習慣化することで、痛みの予防につながります。
ウォーキングや軽いストレッチなど、無理のない範囲で身体を動かす習慣をつけましょう。特に股関節を大きく動かす運動は、深層筋の柔軟性を保つのに効果的です。
ただし痛みがある状態での無理な運動は逆効果になるため、まずは痛みを取り除いてから徐々に運動量を増やしていくことが重要です。水中ウォーキングなど、関節への負担が少ない運動から始めるのもよいでしょう。
深層筋の問題は早期に対処することで、短期間での改善が期待できます。次のような症状がある方は、我慢せずに専門家に相談することをおすすめします。
これらに複数当てはまる方は、深層筋の問題を抱えている可能性があります。放置すると慢性化するリスクが高まるため、早めの対処が肝心です。
深層筋の状態は表面からは分かりにくく、自己判断だけでは適切な対処が難しいものです。筋反射テストなどの専門的な検査によって、痛みの根本原因を特定することができます。
原因が明確になれば、それに応じた最適な施術計画を立てることができ、効率的な改善が期待できます。
股関節の奥から腰にかけての痛みは、深層筋の問題が関わっていることが多くあります。長時間の座位姿勢や運動不足によって筋肉が硬くなり、骨盤や腰椎への負担が増大することで痛みが生じるのです。
大切なのは、痛みが軽いうちに適切な対処をすることです。放置すると慢性化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
東洋医学に基づいた鍼灸治療は、深層筋へ直接アプローチできる有効な方法の一つです。筋肉の緊張を緩め、血流を改善し、自然治癒力を高めることで根本的な改善を目指します。
また日常生活での姿勢や動作の見直し、適度な運動習慣も重要です。セルフケアと専門的な施術を組み合わせることで、より効果的な改善が期待できます。
股関節や腰の痛みでお困りの方は、我慢せずに早めに相談してください。あなたが明るく前向きに快適な日々を送れるよう、適切なサポートを受けることをおすすめします。