
院長:泉お気軽にご相談ください!


肩のあたりが重くて、なんとなくだるい。そんな感覚、最近ありませんか?「いつもの肩こりかな」と思っていたのに、よく触ってみると肩甲骨の外側や脇の奥のほうがジンジンと張っている…。もしかしたら、それは大円筋や小円筋のこりが原因かもしれません。
今回は、その大円筋と小円筋がなぜこり固まってしまうのか、そしてどうすれば根本から改善できるのかを、わかりやすくお伝えしていきます。


大円筋・小円筋は一般的にはあまり知られていない筋肉ですが、ここが硬くなると肩全体の動きが悪くなるだけでなく、腕や手の不調につながることも少なくありません。
まずは、大円筋と小円筋がどこにある筋肉なのかを確認しておきましょう。名前は似ていますが、それぞれ役割も位置も少し異なります。肩まわりの構造を知っておくだけで、自分の不調の原因がぐっとイメージしやすくなりますよ。
大円筋は、肩甲骨の下角(肩甲骨の一番下の角)から上腕骨の前面にかけてつながっている筋肉です。脇の後ろ側、ちょうど脇の下あたりを触ったときに感じる、ふっくらとした盛り上がりのあたりが大円筋です。腕を後ろに引いたり、内側にひねったりする動作に関わっています。
日常でいえば、棚の上のものを取るときや、ものを引っ張る動作のときに活躍する筋肉です。スポーツをされる方なら、野球の投球動作や水泳のプルの動き、クライミングのホールドを引きつける動作などで常に使われています。
小円筋は、肩甲骨の外側の縁から上腕骨の大結節という部分につながっています。大円筋よりも少し上、肩甲骨の外側の縁に沿って走っている小さな筋肉です。腕を外側にひねる(外旋)動作に主に関わっており、ローテーターカフ(肩の回旋筋腱板)と呼ばれる4つの筋肉のうちのひとつです。
「小さい筋肉だから大したことないのでは?」と思われるかもしれませんが、小円筋は肩関節の安定に深く関わっています。ここが硬くなると、肩関節そのものの動きが制限されてしまうのです。


では、なぜこれらの筋肉がこってしまうのでしょうか。実はいくつかの生活習慣や姿勢の問題が複合的に絡み合っています。「心当たりがある」という方も多いのではないでしょうか。
スマートフォンを使う時間が長かったり、デスクワークで前傾みになったりしていると、肩が前に出て内側に丸まった「巻き肩」の状態になりやすくなります。この状態が続くと、大円筋と小円筋が常に引き伸ばされた状態か、逆に縮んで固まった状態のどちらかに偏り、血流が悪くなってこりが生じてしまいます。
巻き肩は単なる姿勢の問題だと思われがちですが、肩甲骨まわりの深層筋に対して慢性的なストレスをかけ続けています。特に大円筋は巻き肩になると縮みやすく、肩の動きをさらに制限する悪循環に陥りやすいのです。
キーボードを打ち続けたり、マウスを操作したりする動作は、腕をほぼ同じ位置に固定したまま行う作業です。この「動かないこと」が大円筋・小円筋の血流を妨げ、筋肉内に疲労物質を蓄積させます。仕事が終わって肩を動かそうとすると脇の奥がつっぱる、あるいは肩甲骨の外側がじわっと痛む、という方は要注意です。
また、スマートフォンを長時間使うときに腕を前に出したまま画面を見る姿勢も、大円筋に持続的な負荷をかけます。「肩こりの場所がいつもと違う」「脇の下あたりが固い」と感じたことがある方は、このパターンの可能性が高いです。
特に腕を頭上に持ち上げたり、引き付けたりする動作を繰り返すスポーツでは、大円筋・小円筋への負担が集中しやすくなります。野球、テニス、バドミントン、水泳、クライミングなどがその代表格です。
十分なウォームアップやクールダウンなしに練習を続けると、筋肉に微細な損傷と修復が繰り返され、次第に筋肉が硬くなっていきます。スポーツをされている方で「練習後に肩の後ろや脇が張る」という方は、この筋肉の疲労が積み重なっているサインと考えてください。
30年の施術経験のなかで感じるのは、筋肉のこりは単に「使いすぎ」だけが原因ではないということです。精神的なストレスや睡眠不足、自律神経の乱れは、全身の血流を悪化させ、筋肉を緊張させます。仕事のプレッシャーが高い時期ほど肩や脇あたりが重くなる、という方はまさにこのパターンです。
東洋医学的に見ると、こりは単なる筋肉の問題ではなく、気の流れの滞りと深く関係しています。心身のストレスが蓄積されると、経絡の流れが悪くなり、それが筋肉の硬直として現れてくるのです。
大円筋・小円筋のこりは、最初はちょっとした違和感から始まります。次のような症状が続いている場合、早めのケアが大切です。
これらのサインが複数当てはまる場合、大円筋や小円筋に問題が起きている可能性があります。「どうせ肩こりだから」と放置せず、きちんと向き合うことが大切です。
症状が軽いうちは、日常的なセルフケアで改善の助けになることがあります。ただし、強い痛みや腕のしびれがある場合は、無理に行わずに専門家に相談することを優先してください。ここでは、普段の生活に取り入れやすいケアをご紹介します。
脇の後ろ側(腋窩の後壁)を反対の手の指で軽くつまむように触れてみてください。硬いロープのような感触があれば、それが大円筋が固まっているサインです。指で優しく圧迫しながら、腕をゆっくりと外側に回す動作を繰り返すと、少しずつほぐれていきます。強く押しすぎず、「気持ちいい痛さ」の範囲で行いましょう。
小円筋は肩関節の外旋に関わる筋肉なので、腕を内側にひねる方向へのストレッチが有効です。片方の腕を肘で直角に曲げ、壁や扉の枠に前腕を当てた状態で、体ごとゆっくり前に向けるように動かします。肩甲骨の外側のあたりにじわっと伸び感が出ればOKです。
15〜20秒ほど伸ばしたら一度緩め、それを2〜3回繰り返すのが目安です。痛みが出るほど無理に伸ばすのはよくありません。「伸びているな」と感じる程度で十分です。
セルフケアを続けても、姿勢のクセが変わらなければ同じ場所がこり続けます。デスクに向かうときは、画面と目の距離を保ち、背もたれを活かして背中を軽く支えるよう意識するだけでも、筋肉への負担が大きく変わります。1時間に1度は立ち上がり、肩をゆっくり回す習慣をつけるだけでも効果があります。
自分でケアを続けていても、なかなか改善しないことがあります。次のような場合は、セルフケアの限界を超えている可能性があります。専門的な施術を受けることを真剣に考えてみてください。
こうしたサインが出ているときは、筋肉だけの問題ではなく、神経や関節、あるいは気の流れ・自律神経にまで影響が及んでいることがあります。「もう少し様子を見よう」と先延ばしにしてしまうと、改善に時間がかかってしまうことも少なくありません。
西洋医学的には「筋疲労」「姿勢不良」「使いすぎ」が原因とされますが、東洋医学の視点では少し異なる捉え方をします。約30年・17万人以上の施術を通じて感じてきたことをお伝えしたいと思います。
東洋医学では、肩や脇まわりには心包経・心経・小腸経などの経絡が流れています。特に心経や小腸経の気の流れが滞ると、肩甲骨の外側から脇にかけてこりや痛みが現れやすくなります。精神的な疲れや感情のストレスがこの経絡に影響を与えることも多く、「仕事が忙しくなると必ず肩が重くなる」という方は、まさにこのパターンです。
気診(筋反射テスト)を使って体の状態を細かく確認してみると、大円筋・小円筋に問題が出ている方の多くが、肝経や心経の気の流れにも乱れを抱えています。こりの根本には、表面的な筋肉の問題だけでなく、こころと身体の両方に原因があることが少なくないのです。
寿楽堂鍼灸院・整体院では、初回に唾液アミラーゼを使ったストレス検査と、気診(筋反射テスト)による東洋医学的な検査を行います。これにより、「なぜこの筋肉がこり続けるのか」という根本原因を特定してから施術に入ることができます。
施術は、髪の毛ほどの細さの鍼を最も効果のあるツボ一穴に行う優しい施術です。「鍼は痛そう」と感じている方もご安心ください。お子さんから高齢の方まで、「痛くなかった」「施術後にじんわり温かくなった」とおっしゃっていただくことがほとんどです。肩や脇のこりが改善するだけでなく、全身の気の巡りが整い、睡眠や気持ちの落ち着きにもよい変化を感じていただけることが多いです。
施術後は、症状の変化や今後の通院ペースについて丁寧にご説明し、2回目来院時には健康治療計画書もお渡ししています。「どのくらいで改善できるのか」を可視化することで、安心して施術に取り組んでいただけるよう工夫しています。
「たかが肩まわりのこりだから」と長期間放置しておくと、症状が広がるリスクがあります。大円筋・小円筋が慢性的に硬くなると、周囲の神経(腋窩神経など)を圧迫し始め、肩や腕のしびれや痛みへと発展することがあります。
また、筋肉が固まった状態が続くと、肩関節の可動域が徐々に狭まっていきます。これが進行すると「四十肩・五十肩」のように腕が特定方向に上がらなくなってしまい、日常生活に支障をきたすことも出てきます。「なんとなくおかしいな」という段階で早めに対処することが、回り道をしない近道です。
脇の奥や肩甲骨の外側に感じるこりや重さは、大円筋・小円筋からの大切なサインです。巻き肩や長時間のデスクワーク、スポーツの疲れだけでなく、ストレスや自律神経の乱れも深く関わっています。
院長として30年間、多くの方の肩まわりの不調に向き合ってきました。「もっと早く来ればよかった」とおっしゃる方も多いですが、今気づいたこの瞬間が一番早いタイミングです。セルフケアも大切ですが、根本の原因を丁寧に探り、こころと身体の両方を整えることが本当の意味での改善につながります。ひとりで抱え込まず、少しでも気になることがあればお気軽にご相談ください。あなたの身体のことを一緒に考えていきたいと思っています。