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つわりで仕事を休むのは甘え?妊婦さんが知っておきたい正しい考え方と対処法

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妊娠初期に多くの方が経験する「つわり」。「気持ち悪くて仕事に行けないけど、休んだら甘えだと思われるのでは?」「みんな頑張っているのに、自分だけが弱いのでは?」

こうした不安や罪悪感を抱えながら、つらい体調を我慢して仕事を続けている妊婦さんは少なくありません。しかし、つわりで仕事を休むことは決して甘えではなく、母体と赤ちゃんを守るためにとても大切な行動です。

つわり(妊娠悪阻)とは?

つわりの症状

つわりは妊娠初期に多くの妊婦さんが経験する症状で、医学的には「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼ばれます。

発症の時期は 妊娠5週頃から始まり、妊娠16週頃までに落ち着くことが多い とされていますが、個人差は大きく、人によっては長く続くこともあります。

つわりの一般的な症状

妊婦さんによって現れる症状は異なりますが、一般的に以下のようなものがよく見られます。

  • 吐き気や嘔吐
  • 食欲不振
  • 匂いに敏感になる(特定の食品・調味料・香水など)
  • 特定の食べ物だけ食べられるようになる(例:果物・炭酸水・氷など)
  • 胃のムカつき・胸やけ
  • 倦怠感・強い眠気
  • めまい・頭痛
  • よだれが多くなる(唾液過多症)
  • 水分も取れないほどの重度の吐き気(妊娠悪阻と診断されることもある)

つわりの原因(一般的に言われていること)

つわりのはっきりとした原因は解明されていませんが、いくつかの要因が関与すると考えられています。

ホルモンの変化

妊娠初期に分泌が急増する「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」が影響すると考えられている

自律神経の乱れ

妊娠による身体の変化や精神的な不安が、自律神経に影響を及ぼす

心理的要因

妊娠・出産に対する不安や生活環境の変化が、症状の強さに関与する場合がある

体質・遺伝的要因

母親や姉妹につわりが重い人がいると、同じように強く出る傾向がある

つわりの経過とピーク

  • 始まりやすい時期:妊娠5〜6週ごろ
  • ピーク:妊娠8〜10週ごろ
  • 落ち着く時期:妊娠12〜16週ごろ

ただし、20週を過ぎても続く人も少なくありません。妊娠の経過や体質によって大きく異なる点が特徴です。

つわりの一般的な対処法

つわりは完全に防ぐことはできませんが、日常生活で工夫できることがあります。

STEP
食事の工夫
  • 無理に三食を取ろうとせず、少量をこまめに食べる
  • 冷たい食べ物(果物・ゼリー・アイスなど)は比較的食べやすい
  • 炭酸水やレモン水で気分を紛らわせる
  • 匂いの強い料理を避ける
STEP
水分を意識する
  • 一度にたくさんではなく、少しずつこまめに飲む
  • 常温の水や経口補水液を取り入れる
  • 水分が取れない場合は氷をなめるなど工夫する
STEP
生活環境を整える
  • 部屋を換気して匂いを避ける
  • 無理をせず横になる時間を作る
  • 家事や仕事の負担を家族に協力してもらう
STEP
受診の目安

以下のような場合は、専門家への相談が推奨されます

  • 水分がほとんど取れない
  • 妊娠前から 5%以上の体重減少 がある
  • 尿が出ない、濃い色になる
  • 強い倦怠感や動けないほどの症状

つわりと仕事:「休むことは甘え?」という悩み

つわりの大きな課題の一つに、「仕事をどうするか」があります。特に社会の中では「つわりは病気じゃないから休むのは甘え」といった誤解や偏見が残っていることも少なくありません。

実際のところ…

実際のところ、つわりは医学的にも認められている体調不良であり、決して「甘え」ではありません。むしろ、妊娠によるホルモンの変化に身体が正常に反応しているサインといえます。

また、つわりの症状は人によって大きく異なります。ほとんど症状がなく軽く済む方もいれば、強い吐き気や食欲不振で入院が必要になるほど重症化する方もいます。そのため、「私は平気だったから大丈夫」といった個人の経験談を押しつけるのはとても危険です。

さらに、無理をして仕事や家事を続けることで、強い脱水や栄養不良に陥る場合もあります。これは母体だけでなく胎児の発育にも影響を与える可能性があるため、決して軽視してはいけません。

仕事との向き合い方のSTEP

STEP
自分の症状を客観的に把握する

つわり日記や体調メモを残すと説明しやすい。

STEP
職場に早めに相談する

無理をして倒れてしまう前に、上司や人事に伝える。

STEP
勤務形態を工夫する

時短勤務、在宅勤務、休憩の時間を多めに取るなど。

STEP
「甘え」ではなく「必要な配慮」と理解する

職場の制度(母性健康管理指導事項連絡カードなど)を活用する。

東洋医学からみたつわり

東洋医学では、つわりは単なる胃の不調ではなく、妊娠による全身のバランスの乱れととらえます。
とくに注目されるのは「気」「血」「水」という身体の基本要素の不均衡です。

気の乱れ

妊娠により新しい命を育むために多くの「気」が必要とされます。その結果、胃腸に回るエネルギーが不足し、消化機能が低下して吐き気や食欲不振として現れると考えられます。

胃気の上逆(じょうぎゃく)

本来、胃は食べ物を下へ送る働きを持っています。しかし妊娠中はこの流れが逆転しやすく、気が上に突き上げることで吐き気や胸やけが起こるとされます。

血や水の滞り

妊娠で血流が大きく変化し、体液の巡りもスムーズでなくなると、むくみや頭重感、強いだるさにつながります。

また精神的な不安やストレスによる「気滞(気の滞り)」もつわりを悪化させる要因とされ、心身のリラックスが重要視されます。

まとめ

つわりは妊娠初期に多くの方が経験する自然な現象ですが、その程度や症状の出方は人によって大きく異なります。仕事を休むことを「甘え」ととらえるのは誤解であり、実際には母体と赤ちゃんを守るために必要な行動です。

医学的な知識に基づいた対応と、家族や職場の理解が欠かせません。そして、東洋医学の視点からはつわりを全身のバランスの乱れととらえ、心身を整えるアプローチが有効と考えられています。無理をせず、医療や鍼灸など適切なサポートを取り入れながら、妊娠期を少しでも安心して過ごすことが大切です。


院長:泉

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