
院長:泉お気軽にご相談ください!


最近ご自身やご家族が歩く姿を見て、「あれ、足を引きずっているかも」と気になったことはありませんか。年齢のせいだと思って見過ごしてしまいがちですが、実は歩行の変化には身体からの大切なメッセージが隠れていることがあります。
私は富山寿楽堂鍼灸院・整体院の院長、泉賢秀と申します。約30年の臨床経験の中で、歩行障害でお悩みの方々と数多く向き合ってまいりました。今日は、足を引きずるように歩いてしまう原因や、どのような対処法があるのかについてお話しさせていただきます。


歩き方の変化は、身体が発しているSOSのサインかもしれません
足を引きずるような歩き方は、医学的には「跛行(はこう)」と呼ばれています。これは、片足あるいは両足をすって歩いたり、膝が持ち上がらずつま先を引きずったりする状態のことです。ご本人は気づいていなくても、周囲から「歩き方が変わった」と指摘されて初めて自覚する方も少なくありません。
このような歩き方になる背景には、筋力の低下や関節の痛み、神経系の問題などさまざまな原因が考えられます。放っておくとつまずきや転倒のリスクが高まり、特に高齢の方では骨折から寝たきりにつながる可能性もあるため注意が必要です。早めに原因を知り、適切な対応をすることが何より大切になってきます。
では、なぜ足を引きずるような歩き方になってしまうのでしょうか。ここでは代表的な原因をいくつかご紹介していきます。
年齢を重ねると、どうしても筋肉量が減少し、筋力が衰えてきます。特に太ももの前側にある大腿四頭筋や、すねの前側にある前脛骨筋が弱くなると、足を持ち上げる力が不足して引きずるような歩き方になることがあります。また、長時間のデスクワークや運動不足で筋肉が硬くなると、足首やひざの動きが悪くなり、スムーズに歩けなくなります。
腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、頚椎症性脊髄症といった病気では、神経が圧迫されることで足の筋肉に力が入りにくくなったり、感覚が鈍くなったりします。その結果、足を引きずって歩くようになることがあります。腰痛やしびれを伴うことが多く、長い距離を歩くのがつらくなるのも特徴です。
脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が起こると、片側の手足に麻痺が残ることがあり、足を引きずる歩き方になります。また、パーキンソン病では小刻みですり足のような歩き方が特徴的で、前かがみの姿勢で歩くようになります。脊髄小脳変性症などの神経難病でも、バランスが取りにくくなり歩行障害が現れることがあります。
変形性股関節症や変形性膝関節症など、関節に痛みや変形がある場合も、痛みをかばうようにして足を引きずって歩くことがあります。股関節や膝関節の動きが悪くなると、足を大きく前に出すことができず、すり足のような歩き方になってしまいます。
閉塞性動脈硬化症や糖尿病性神経障害では、足への血流が悪くなったり、神経が障害されたりすることで、歩行に支障が出ることがあります。歩いているうちに足が痛くなり、休むと楽になるといった症状が特徴です。


足を引きずる歩き方にも、実はいくつかのタイプがあります。どんな歩き方をしているかによって、原因を推測する手がかりになることもあります。
片足が突っ張ったようになり、その足を外側に大きく回すようにして歩くタイプです。脳卒中の後遺症などで見られることが多く、足首やひざが硬くなって曲げにくくなっています。
つま先が持ち上がらないため、足を高く上げて歩くタイプです。腰椎椎間板ヘルニアや坐骨神経痛、総腓骨神経麻痺などで起こることがあります。つま先が地面にひっかかりやすく、つまずきやすいのが特徴です。
足を持ち上げずに地面をするように歩き、歩幅が小さくなるタイプです。パーキンソン病で典型的に見られる歩き方で、前かがみの姿勢になり、腕の振りも小さくなります。
足を引きずって歩くようになったとき、どこに相談すればよいか迷う方も多いのではないでしょうか。症状によって適切な診療科が異なりますので、目安をお伝えします。
脳梗塞や脳出血、パーキンソン病、脊髄小脳変性症などの神経系の病気が疑われる場合は、脳神経内科や脳神経外科を受診するとよいでしょう。特に、急に片側の手足に力が入らなくなった、ろれつが回らない、激しい頭痛があるといった症状があれば、すぐに医療機関を受診してください。
腰痛や膝の痛み、股関節の痛みを伴う場合や、過去に腰や関節の病気を指摘されたことがある方は、整形外科が適しています。レントゲンやMRIなどの検査で、骨や関節、神経の状態を詳しく調べることができます。
どの診療科を受診すればよいか分からない場合は、まずかかりつけ医に相談してみるのもよい方法です。症状を聞いた上で、適切な専門医を紹介してもらえます。
東洋医学では、足を引きずって歩くような症状を、気血の巡りの滞りや、肝・腎のエネルギー不足として捉えることがあります。気とは生命エネルギーのようなもので、血とともに全身を巡っています。この巡りが悪くなると、筋肉や関節に十分な栄養が届かず、痛みや動きの悪さが現れます。
また、東洋医学では肝は筋肉を、腎は骨を司るとされています。ストレスや過労、加齢などで肝や腎の働きが弱くなると、筋力の低下や骨の衰えにつながり、歩行に影響が出ると考えられています。冷えも気血の巡りを悪くする大きな要因の一つです。
当院では、歩行障害でお悩みの方に対して、気診という東洋医学独自の検査法を用いて、お一人お一人の身体の状態を詳しく調べます。気診とは、筋反射テストを使って身体の気の流れや、どの経絡(エネルギーの通り道)に問題があるかを探る方法です。
検査の結果をもとに、最も効果的なツボに鍼やお灸、気功、整体を組み合わせた施術を行います。自然治癒力を高めることで、筋肉の緊張をゆるめ、気血の巡りを改善し、痛みを和らげていきます。痛みを伴わない優しい刺激ですので、ご高齢の方でも安心して受けていただけます。
実際に当院に通われている方の中には、長年足を引きずって歩いていた方が、施術を重ねるうちに歩きやすくなり、外出が楽しくなったと喜んでくださる方もいらっしゃいます。身体だけでなく、こころの状態も整えることで、より根本的な改善を目指しています。
病院や治療院での治療に加えて、日常生活の中でご自身でできる工夫もあります。少しずつ取り入れてみてください。
無理のない範囲で、ウォーキングやストレッチを習慣にしましょう。特に太ももやふくらはぎの筋肉を鍛えることで、足を持ち上げる力が養われます。毎日少しずつでも続けることが大切です。
冷えは血流を悪くし、筋肉を硬くします。温かい飲み物を摂る、お風呂にゆっくり浸かる、足元を冷やさないようにするなど、日頃から身体を温める工夫をしてみてください。
筋肉や骨を健康に保つためには、タンパク質やカルシウム、ビタミンなどをバランスよく摂ることが大切です。特に高齢の方は、意識してタンパク質を摂るようにしましょう。
足に合わない靴やかかとの高い靴は、歩き方を不安定にします。クッション性があり、足にフィットする靴を選ぶことで、歩きやすさが変わります。
足を引きずって歩くと、どうしてもつまずきやすくなります。転倒によるケガを防ぐために、生活環境を見直すことも大切です。
こうした小さな工夫の積み重ねが、転倒のリスクを大きく減らしてくれます。
足を引きずって歩くようになる原因は、筋力の低下から脳や神経の病気まで、実にさまざまです。単なる老化現象だと決めつけず、まずは原因をしっかりと見極めることが大切です。そして、原因に応じた適切な治療や対策を行うことで、歩きやすさを取り戻し、転倒のリスクを減らすことができます。
東洋医学の視点から見れば、歩行の問題は気血の巡りや内臓の働きと深く関わっています。身体全体のバランスを整えることで、症状の改善だけでなく、再発予防や健康増進にもつながります。当院では30年の臨床経験をもとに、お一人お一人の状態に合わせた施術を行っております。
歩くことは、日常生活の基本であり、人生を楽しむために欠かせないものです。もしご自身やご家族の歩き方が気になっているなら、どうか一人で悩まず、いつでもお気軽にご相談ください。私たちは、あなたが再び快適に歩けるよう、全力でサポートさせていただきます