
院長:泉お気軽にご相談ください!


「足の付け根が痛くて、でも試合まで時間がない…」そんな焦りを抱えている方や、お子さんの様子が気になっている親御さん、このページにたどり着いてくださったのは、きっとそういう切実な理由があるからではないでしょうか。
鼠径部痛(グロインペイン症候群)は、特にサッカーなどのスポーツをしている成長期の子どもや若い世代に多く見られる症状です。
ただ、「痛みがあるのに無理に続けてしまう」「自己流でケアをして逆に悪化した」というケースが本当に多いんです。今日は30年間・17万人以上の施術経験をもとに、やってはいけないことと、正しい対処の考え方をお伝えします。


鼠径部の痛みは「少し我慢すれば治る」と思われがちですが、初期の対応を誤ると慢性化してしまうことが少なくありません。焦る気持ちはよくわかりますが、まず正しい知識を持つことがいちばんの近道です
鼠径部(そけいぶ)とは、足の付け根の少し上、骨盤の前下方あたりにある部分のことです。ここは股関節の動きに深く関わっていて、ランニングやキック動作、方向転換など、スポーツで繰り返し使われる場所でもあります。
成長期の子どもは骨と筋肉の発達がアンバランスになりやすく、筋肉や腱が骨の成長に追いつかない時期があります。そこに激しい練習や疲労が重なると、付着部に炎症が起きやすくなるのです。東洋医学的に見ると、この部位は「肝経」「脾経」などの経絡(気の流れる道)が通る場所でもあり、気の巡りが滞ると局所に痛みが集まりやすくなるという側面もあります。
大人の場合でも、体の使い過ぎや柔軟性の低下、疲れが抜けにくい体質などが重なると同様の症状が出てきます。「年齢的にまだ若いから大丈夫」と思わず、サインを見逃さないようにしましょう。
ここが今日の記事の核心です。良かれと思ってやっていることが、実は症状を長引かせている原因になっていることがあります。施術の現場で「これをやってしまっていた」というお声を本当によく聞くので、ひとつひとつ丁寧に解説していきますね。
「少し痛いくらいなら大丈夫」「練習を休んだらレギュラーを失う」という気持ち、よくわかります。でも、炎症が起きている状態で負荷をかけ続けると、軽度の炎症が慢性的な組織損傷へと進行してしまう危険性があります。
特に成長期の子どもは回復力があるように見えますが、成長軟骨部への繰り返しのストレスは、将来的な股関節の変形や機能低下につながることもあります。「痛いけど動ける」という状態は、すでにリスクゾーンに入っているサインだと思ってください。
「温めると血流が良くなって治りが早い」と思っている方が多いのですが、これは状態によって正反対の効果になることがあります。痛みが強く出ている急性期・炎症期には、患部は熱を持っていることが多く、そこをさらに温めると炎症反応が促進されてしまいます。
入浴時に長時間湯船につかったり、ホットパックを当てたりするのは、炎症が落ち着いた回復期に入ってから。急性期は局所を冷やすことが基本です。「痛みが強い=炎症している」という目安を持っておくと判断しやすくなります。
「凝っているから揉めば治る」と思って患部をぐいぐい押してしまう方、実はこれがかなり危険です。炎症が起きている腱や筋肉の付着部を強い圧力で刺激すると、微細な損傷がさらに広がってしまいます。
特に自己流のマッサージは力の加減が難しく、症状を悪化させてしまうケースを何度も見てきました。「押すと痛気持ちいい」という感覚は、組織が傷ついているサインであることも多いのです。
痛みを感じると「硬いから伸ばさなきゃ」と思いがちですが、炎症がある状態での強制的なストレッチは、筋肉や腱の付着部をさらに引っ張ることになります。特に「開脚」「前屈」「太ももの前を伸ばすストレッチ」などは、鼠径部に強い牽引力がかかるため要注意です。
ストレッチ自体が悪いわけではありません。炎症期を過ぎたあとの回復期に、正しい方法で行うことが大前提です。「痛みがあるうちは無理に伸ばさない」これだけでも覚えておいてください。
湿布は一時的な痛みの緩和には役立ちますが、根本的な原因を取り除くものではありません。湿布で痛みが和らいだからといって練習を再開してしまうと、感覚が麻痺している分だけ無理を重ねてしまうことになります。
「湿布を貼ったから大丈夫」ではなく、湿布はあくまでも応急処置のひとつ。痛みが続くようであれば、必ず専門家に診てもらうことが必要です。


NG行動ばかりお伝えしてきましたが、「では何もしちゃいけないの?」という方のために、炎症期でも安心してできることをお伝えします。正しい方向でケアをすることが、復帰への最短距離です。
痛みが強い時期は、無理に動かさないことがいちばんのケアです。アイスパックや保冷剤をタオルに包んで、1回15〜20分を目安に患部を冷やしましょう。直接皮膚に当てると凍傷になることがあるので、必ず布を間に挟んでください。
東洋医学の視点では、鼠径部の痛みは局所だけの問題ではなく、肝経・脾経などのエネルギーの流れが滞ることで起きやすくなると考えます。十分な睡眠と栄養をとり、冷えや疲労を溜め込まない生活習慣が回復を助けます。
「スポーツで体を使っているから食事はしっかり食べている」という方でも、睡眠不足や精神的ストレスが自然治癒力を下げてしまうことがあります。体だけでなく心の状態にも目を向けることが大切です。
患部には負担をかけずに、体全体の機能を維持することは可能です。腹横筋や多裂筋などの深層の体幹筋を鍛えることは、股関節周囲の安定性を高めることにもつながります。ただし、痛みが出るような動作は絶対に避けてください。
当院には、病院では「安静にしていてください」と言われたけれど、一向に改善しないという方や、整形外科に通ったけれど再発を繰り返しているという方が多く来院されます。
西洋医学的なアプローチは「局所の炎症を抑える」ことが中心になりますが、東洋医学では体全体の気の流れ、五臓六腑のバランスを整えることで、自然治癒力を高めて根本から回復を促すという考え方をします。
鼠径部痛は、局所の問題だけではなく、腰部や骨盤のゆがみ、股関節周囲の筋肉の緊張パターン、さらには内臓経絡の乱れなど、複合的な要因が絡み合っていることが多いです。当院では気診(筋反射テスト)を用いて体全体の状態を検査し、本当の原因を探りながら施術を進めていきます。
中学生のお子さんを持つ保護者の方が来院され、「サッカーの試合が近いのに足の付け根が痛くて練習を休んでいる」とご相談いただいたことがあります。整形外科では「しばらく安静に」と言われたものの、改善の見通しが立たないとのことでした。
検査を行うと、骨盤の傾きと腰部の緊張が鼠径部に負担をかけているパターンが見られました。気の滞りを解消するツボへのアプローチと体のバランス調整を重ね、数回の施術を経て痛みが軽減し、段階的に練習に復帰できるようになりました。
※個人差があり、効果を保証するものではありません。
「もう少し待てば自然に治るかも」と思って放置した結果、半年・1年と痛みを抱えてしまうケースは珍しくありません。特に成長期の子どもは、骨の成長が止まるまでの時期に無理を重ねると、回復が難しくなることがあります。
「大会が終わったら診てもらおう」と先延ばしにするのが、実はいちばん危険な選択です。痛みは体からのSOSです。早めに専門家に相談することが、最速で復帰するための唯一の近道だと、私は30年の経験から確信しています。
今日お伝えしたことを振り返ってみましょう。
これらはどれも「早く治りたい」という気持ちからくる行動なのに、逆に回復を遅らせてしまうものばかりです。焦る気持ちはよくわかりますが、体の声をしっかり聞いて、正しいケアを積み重ねることが大切です。
鼠径部の痛みは、適切な対処をすれば必ず回復できます。でも、「何が適切か」を正確に判断するのは、自分ひとりでは難しいこともあります。一人で抱え込まず、いつでも気軽にご相談いただければと思います。当院では初回から丁寧にお話を伺い、気診による体全体の検査をもとに、あなただけの施術計画をご提案しています。体とこころを整えて、またスポーツを思い切り楽しめる日を一緒に目指しましょう。