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爪の横を押すと痛い原因と対処法|東洋医学の視点から徹底解説

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突然ですが、爪を横から押したときに痛みを感じることはありませんか。日常生活では気づきにくいものの、靴を履いたときや何かの拍子に爪の側面に圧がかかると、鋭い痛みが走る。そんな経験をされている方は意外と多いのです。

この痛み、実は身体からの重要なサインかもしれません。30年間で17万人以上の方々を診てきた私の経験から、爪周辺の痛みには複数の原因が隠れており、放置すると日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。

爪の側面に痛みが出る主な原因

爪を横から押したときに感じる痛みには、いくつかの代表的な原因があります。単なる外傷から慢性的な疾患まで、その範囲は多岐にわたるため、まずは自分の症状がどれに当てはまるかを知ることが大切です。

ここでは臨床現場でよく見られる原因を、それぞれの特徴と共に解説していきます。痛みの種類や場所、赤みや腫れの有無などを確認しながら読み進めてください。

陥入爪(巻き爪)による痛み

爪の端が皮膚に食い込んでしまう状態を陥入爪と呼びます。特に足の親指に多く見られ、爪の両端や片側が皮膚の中に入り込むことで、強い痛みを引き起こします。

深爪をしたり、先の細い靴を長時間履いたりすることが主な原因です。爪が食い込んだ部分は炎症を起こしやすく、放置すると感染症に発展することもあります。歩くたびに痛みが走り、日常生活に大きな支障をきたすケースも珍しくありません。

初期段階では軽い違和感程度ですが、徐々に痛みが増し、赤く腫れてくることがあります。さらに進行すると肉芽組織が形成され、出血しやすくなることも。早めの対処が何より重要です。

爪周囲炎による炎症と痛み

爪の周りの皮膚に細菌が感染して炎症を起こす状態を爪周囲炎といいます。爪の甘皮を無理に押し上げたり、ささくれを引っ張ったりすることで、そこから細菌が侵入するケースが多いです。

症状としては爪の周囲が赤く腫れ、熱を持ち、押すと強い痛みを感じます。化膿して膿が溜まることもあり、その場合は黄色っぽい液体が見られることも。急性の場合は数日で症状が現れますが、慢性化すると治りにくくなります。

水仕事が多い方や、手を頻繁に洗う職業の方に多く見られます。傷口から細菌が入りやすい環境にあるため、日頃から清潔を保つことが予防の鍵となります。

外傷や圧迫による痛み

物を落としたり、ぶつけたりして爪に外傷を負うことがあります。また、サイズの合わない靴を履き続けることで、爪が継続的に圧迫されて痛みが生じることも少なくありません。

スポーツをされる方は特に注意が必要です。サッカーやランニングなど、足先に負担がかかる運動では、爪下に内出血が起こることがあります。爪が黒っぽく変色していたら、爪下血腫の可能性を疑いましょう。

仕事で長時間立ちっぱなしの方や、ヒールを履く機会が多い方も要注意。つま先への圧迫が積み重なると、徐々に爪の形が変わってきたり、痛みが慢性化したりします。

乾燥や栄養不足による爪の脆弱化

爪自体が弱くなっていると、少しの刺激でも痛みを感じやすくなります。乾燥によって爪が割れやすくなったり、薄くなったりすると、外部からの圧力に弱くなるのです。

栄養状態も爪の健康に大きく影響します。タンパク質や亜鉛、ビタミンB群が不足すると、爪がもろくなり、横筋が入ったり、割れやすくなったりします。特にダイエット中の方は注意が必要です。

季節的な要因も見逃せません。冬場は空気が乾燥するため、爪の水分も失われがちです。また、加齢とともに爪の成長速度が遅くなり、厚くなったり変形しやすくなったりします。

東洋医学から見た爪の痛みと身体のサイン

東洋医学では、爪は「筋の余り」と言われ、肝臓の状態を反映すると考えられています。爪に現れる症状は、単なる局所的な問題ではなく、身体全体のバランスの乱れを示していることがあります。

30年の臨床経験から、爪の痛みと全身状態には密接な関連があることを実感しています。ここでは東洋医学的な視点から、爪の痛みが何を意味するのかを解説します。

肝の血虚と爪の関係

東洋医学では、肝は血を蔵し、筋を主ると言われます。爪は筋の一部とされ、肝の血が十分に行き渡っているかどうかが、爪の状態に現れるのです。血が不足する状態を血虚といいます。

血虚になると、爪に栄養が行き届かず、もろくなったり割れやすくなったりします。また、爪の色が白っぽくなったり、縦筋が目立つようになったりすることも。疲労やストレスが続くと、肝の働きが弱まり、血虚の状態に陥りやすくなります。

女性は月経によって定期的に血を失うため、男性よりも血虚になりやすい傾向があります。生理不順や経血量の変化がある方は、爪の状態にも注意を払ってみてください。

気血の巡りと末端の痛み

身体の隅々まで気血が巡っていれば、細胞に栄養が届き、老廃物も排出されます。しかし、気血の流れが滞ると、末端部分である爪周辺にも影響が出てきます。

冷えを感じやすい方は、末端まで血液が十分に届いていない可能性があります。手足の先が冷たい、しびれやすいといった症状がある場合、爪周辺も血行不良の状態かもしれません。血流が悪いと、ちょっとした刺激でも痛みを感じやすくなります。

ストレスも気血の巡りを妨げる大きな要因です。緊張状態が続くと、身体が硬くなり、血管も収縮します。リラックスする時間を持つことが、末端の健康を保つことにもつながるのです。

ツボ療法で見る爪周辺の経絡

爪の根元付近には、各経絡の起点または終点となる重要なツボが存在します。これを井穴(せいけつ)と呼び、気の出入り口として非常に重要な役割を果たしています。

例えば親指の爪の付け根には肺経のツボが、人差し指には大腸経のツボがあります。各指と対応する臓腑があり、その指の爪に痛みや異常が出ることは、対応する臓器からのメッセージかもしれません。

井穴を刺激することで、経絡全体の気の流れを整えることができます。爪周辺の痛みに対して鍼灸治療が有効なのは、このような東洋医学的な理論に基づいているためです。

自宅でできる爪の痛みへの対処法

専門家の治療を受けることが最善ですが、まずは自宅でできるセルフケアから始めてみましょう。ただし、痛みが強い場合や炎症がひどい場合は、早めに専門家に相談することをお勧めします。

ここでは安全で効果的なケア方法をご紹介します。毎日のちょっとした心がけが、爪の健康を守る第一歩となります。

正しい爪の切り方

爪切りは単純な作業に見えて、実は奥が深いものです。間違った切り方が、陥入爪などのトラブルを招く最大の原因となります。

最も大切なのは、爪を四角く切ること。これをスクエアカットと呼びます。爪の両端を深く切り込まず、指の先端と同じか、やや長めに残すのが理想的です。角だけを少し丸くやすりで削ると、引っかかりにくくなります。

深爪は絶対に避けてください。皮膚よりも短く切ってしまうと、爪が伸びてくるときに皮膚に食い込みやすくなります。お風呂上がりの爪が柔らかくなっているときに切ると、割れにくく切りやすいです。爪切りではなく、やすりを使って少しずつ整える方法もおすすめします。

清潔を保つためのケア

感染を防ぐためには、爪周辺を清潔に保つことが何より重要です。毎日の入浴時に、石鹸を使って丁寧に洗いましょう。爪の隙間に汚れが溜まりやすいので、専用の爪ブラシを使うと効果的です。

ただし、洗いすぎにも注意が必要です。過度な洗浄は爪の乾燥を招き、かえって脆くなってしまいます。洗った後は、しっかりと水気を拭き取ることも大切。湿った状態が続くと、細菌が繁殖しやすくなります。

保湿とマッサージ

爪と爪周辺の皮膚には、適度な潤いが必要です。ハンドクリームやキューティクルオイルを使って、毎日保湿する習慣をつけましょう。特に就寝前のケアは効果的です。

オイルを塗りながら、軽くマッサージすると血行が促進されます。爪の根元を優しく押したり、指先全体を揉んだりすることで、栄養が届きやすくなります。力を入れすぎず、心地よいと感じる程度の圧で行ってください。

靴選びと足への負担軽減

足の爪の痛みで悩んでいる方は、まず靴を見直してみましょう。つま先に1センチ程度の余裕があり、横幅も窮屈でない靴を選ぶことが大切です。

インソールを活用すると、足への負担を軽減できます。特に立ち仕事の方や、長時間歩く方には効果的です。靴下も締め付けの少ない、吸湿性の良い素材を選びましょう。ハイヒールを履く機会が多い方は、休日は足を休ませる時間を作ることも大切です。

病院を受診すべきサインと診療科の選び方

セルフケアで改善しない場合や、特定の症状が見られる場合は、早めに専門家の診察を受けることが大切です。放置すると症状が悪化し、治療に時間がかかることもあります。

ここでは受診の目安と、どの診療科を選べばよいかについて解説します。適切なタイミングで受診することが、早期回復につながります。

すぐに受診すべき症状

以下のような症状が見られる場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。自己判断で対処すると、症状を悪化させる恐れがあります。

症状緊急度考えられる原因
強い痛みで歩行が困難陥入爪の進行、重度の感染
膿が出ている爪周囲炎、化膿性感染症
赤みや腫れが広がっている中〜高感染の拡大
発熱を伴う全身性の感染症
痛みが2週間以上続く慢性的な炎症、その他の疾患

特に糖尿病などの基礎疾患がある方は、免疫力が低下しているため、わずかな傷でも感染が広がりやすくなります。早めの受診を心がけてください。

皮膚科と形成外科の違い

爪のトラブルで受診する場合、皮膚科と形成外科のどちらを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。それぞれの専門領域を知っておくと、適切な選択ができます。

皮膚科は爪周囲炎などの感染症や、爪の病気全般を診察します。薬物療法を中心とした治療が行われ、内服薬や外用薬の処方が主となります。一方、形成外科は陥入爪など、外科的な処置が必要な場合に適しています。

最近では、フットケア外来を設置している医療機関も増えています。爪のトラブルに特化した専門的なケアを受けられるので、近くにある場合は検討してみてください。

鍼灸整体院でのアプローチ

東洋医学的な視点から、身体全体のバランスを整えることで、爪の痛みにアプローチする方法もあります。局所的な治療だけでなく、根本的な体質改善を目指します。

鍼灸治療では、血流を改善し、自然治癒力を高めることで、爪周辺の炎症を和らげます。全身の気血の巡りを整えることで、末端まで栄養が届きやすくなり、爪の健康状態も向上します。痛みのない優しい刺激で、身体に負担をかけずに治療できるのが特徴です。

爪の痛みを予防するための生活習慣

痛みが治まった後も、再発を防ぐための生活習慣を身につけることが重要です。日々の小さな心がけが、健康な爪を維持する鍵となります。

ここでは日常生活で実践できる、爪の健康を守るためのポイントをご紹介します。どれも難しいことではありませんので、できることから始めてみましょう。

栄養バランスの整った食事

爪は主にケラチンというタンパク質でできています。良質なタンパク質を十分に摂取することが、丈夫な爪を作る基本です。肉や魚、卵、大豆製品などを毎日の食事に取り入れましょう。

ビタミンB群は爪の成長に欠かせません。豚肉や玄米、納豆などに多く含まれています。亜鉛も重要な栄養素で、牡蠣やレバー、ナッツ類に豊富です。鉄分が不足すると、爪がもろくなったり反り返ったりすることがあります。

東洋医学的には、黒ゴマやなつめ、クコの実など、血を補う食材がおすすめです。また、血の巡りを良くするニンニクや玉ねぎ、青魚なども積極的に摂りましょう。バランスの良い食事が、内側から爪を強くします。

適度な運動と血行促進

末端まで血液を届けるには、適度な運動が効果的です。ウォーキングなどの有酸素運動は、全身の血流を改善し、代謝を高めます。1日20分程度でも、継続することで効果が現れます。

足指のストレッチも忘れずに行いましょう。足の指を開いたり閉じたり、グーパーを繰り返す運動は、足先の血行を促進します。お風呂上がりに行うと、より効果的です。

冷え対策も重要です。冷えは血行不良の大きな原因となります。靴下を履く、湯船にゆっくり浸かる、温かい飲み物を選ぶなど、身体を冷やさない工夫をしましょう。

ストレス管理と十分な睡眠

ストレスは自律神経のバランスを乱し、末端の血流を悪くします。リラックスする時間を意識的に作り、深呼吸や瞑想、趣味の時間を大切にしてください。

睡眠中に成長ホルモンが分泌され、細胞の修復や再生が行われます。質の良い睡眠を十分にとることで、爪も健康に育ちます。就寝前のスマートフォンは控え、暗く静かな環境で眠るよう心がけましょう。

定期的なフットケア

月に一度は自分の爪をじっくりチェックする習慣をつけましょう。色や形、厚みの変化に早く気づくことで、トラブルを未然に防げます。

必要に応じて、プロのフットケアを受けることもおすすめします。専門家による適切なケアは、セルフケアでは難しい部分まで対応してくれます。季節の変わり目など、定期的にメンテナンスすることで、爪の健康を長く保てます。

よくある質問

これまで多くの方から寄せられた、爪の痛みに関する質問とその答えをまとめました。同じような疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。

痛みがあるときでも運動していいですか

軽い痛みであれば、運動を控える必要はありません。ただし、激しい痛みがある場合や、腫れや赤みを伴う場合は、患部に負担をかけない方が良いでしょう。運動する際は、足に合った靴を選び、テーピングなどで保護することをおすすめします。

マニキュアやジェルネイルは控えるべきですか

爪に炎症がある場合は、化学物質が刺激となる可能性があるため、治るまで控えた方が安全です。健康な状態であれば問題ありませんが、爪を休ませる期間を設けることも大切です。除光液の使用も最小限にとどめましょう。

子どもでも爪の横が痛くなることはありますか

子どもの爪は柔らかく、成長も早いため、サイズの合わない靴を履いていると痛みが出やすくなります。特に成長期は頻繁に足のサイズが変わるため、靴選びには注意が必要です。痛みを訴えたら、早めに確認してあげてください。

どのくらいで改善しますか

症状の程度や原因によって異なります。軽度の場合は1〜2週間で改善することもありますが、陥入爪など構造的な問題がある場合は、数ヶ月かかることもあります。適切なケアを続けることが、早期改善のカギとなります。

痛みを放置せず早めのケアを

爪の横を押したときの痛みは、さまざまな原因によって引き起こされます。陥入爪や爪周囲炎といった局所的な問題から、栄養不足や血行不良など全身的な問題まで、その背景は多岐にわたります。

大切なのは、痛みを我慢せず、早めに対処することです。初期段階であれば、正しい爪の切り方や保湿ケア、靴の見直しなど、セルフケアで改善できることも多くあります。しかし、痛みが強い場合や、赤み・腫れ・膿などの症状がある場合は、専門家の診察を受けることをおすすめします。

東洋医学の視点から見ると、爪の痛みは身体全体のバランスの乱れを示すサインでもあります。局所的な治療だけでなく、生活習慣や食事、ストレス管理なども含めた総合的なアプローチが、根本的な改善につながります。

予防も忘れてはいけません。バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠といった基本的な生活習慣が、健康な爪を育てます。定期的なセルフチェックと適切なケアで、爪のトラブルを未然に防ぎましょう。

小さな痛みでも、それは身体からの大切なメッセージです。痛みに耳を傾け、適切に対処することが、健康への第一歩となります。

爪の痛み以外にも、足のお悩みや全身の不調でお困りの方は、当院の症状別ページもご覧ください。あなたの症状に合わせた詳しい情報と治療法をご紹介しています。つらいときは我慢せず、お気軽にご相談ください。


院長:泉

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