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医僧の軌跡 ~医僧誕生の秘密のうら話~

院長:泉

私が開院するまでの道のりなどをこちらにまとめてみました。ぜひお読みください。

時速130kmでの交通事故をきっかけに医僧の道に進む

お寺の子どもとして生まれましたが、わたしは20歳頃まで、仏事についてあまり熱心ではありませんでした。

それが変わったきっかけは、交通事故です。現在はとても反省しているのですが、わたしは高速道路で130kmのスピードを出して事故を起こしました。自損事故です。でも、事故にあうわずか3分前に、ふと気づいてシートベルトをしたおかげで、いのちが助かったのです。

いまでも頭のなかで、事故の映像がスロー再生できます。3回転の横転で車はボコボコ。フロントガラスは割れ、細かいガラス片がわたしの皮膚に刺さり血が出ています。車は即廃車。わたしは、幸いかすり傷程度で1週間の入院でした。

交通事故の瞬間の意識は、時間と空間を超えていました。このときに、神秘体験を味わい、仏様からのメッセージをいただいたのです。

・わたしたちは、「生かされています」
・わたしたちは、「守られています」
・わたしたちは、まわりの人たちと「つながっています」

わたしのいのちの役割(使命)に気づかされた体験でした。この体験で、大きな気づきを得て、わたしは仏教の知恵(僧侶)と東洋医学の施術(医療)を統合した医僧としての道に進んでいきました。

はりを教科書どおりに刺せば治るわけではない!

鍼灸大学を卒業してすぐ、はり灸師として病院に勤務しました。新しい病院で、立ち上げから任せられ、診察室のレイアウトから準備品など先輩に相談しながら行いました。

22歳の若造はやる気満々!!!

はり灸治療は、東洋3000年の歴史と伝統の医学です。はりを教科書どおり刺せば治ると思っていました。学校で習ったつぼへ、はりやお灸を施していきました。

しかし、そのうち、「治らん」「まだ痛いのだけど」「変わらん」・・・・・グサッ とくる言葉の数々をもらいました。

患者さんの悩みや愚痴、つらい症状を正面からきいて、受け止め、どうしようもないことまで抱え込んでしまったのです。やる気はあったのですが、精神的にとても堪えました。

教科書に書いてある通りにしても治らない。なぜ?はり灸治療はツボに刺せばいいのではないか?どうしてよくなる人とよくならない人がいるのだろう?

どうして、同じツボに治療しても治る人と治らない人がいるのだろう?良くなる人と、よくならない人の違いは何か?治療時間が問題なのか?

様々な疑問と想いが交錯しながら一人に1時間以上かけて治療したこともありました。はりをたくさん刺せば治るのか?と思い、30本以上刺入して治療したこともあります。それでもそんなことでは、治療効果があがらない日々でした。

それでも、患者さま方からいただいた「有難う」「助かった」などの言葉を励みに、東洋医学の古典的な方法の経絡治療を学び、1日に20~30人ほど治療しました。とても疲れを感じるものでした。まず気づいたのは、はりをただ刺してもダメだということ。少なくとも思いをこめて治療するということ。

次に名人と言われる人の共通点を見つけました。治療がはやい。治療が流れるようで時間が短い。大工さんでも料理人でも一流は仕事がきれいで速い。治療時間が長いのは上手くないということでした。

名人と弟子が、同じ患者に同じつぼをつかって同じ道具で治療しても結果が違う。要するに治療者によって効果が違う。実は針灸は誰がやっても同じではないのです。

胸が苦しい

そのころ、突然 「あ~ 胸が苦しい・・・・」

なぜか手の皮膚はかさかさに荒れ、顔色に若さのつやがない。寝ても寝ても眠たい。朝起きるのがつらい。そのうち、突然咳き込みだしたり、突然背中や腰が痛くなったり。

自分の命をすり減らして治療している感じがしてきていました。身体がもたない。やめようか。そんな思いもありました。

そんな時、鍼を刺すことなく痛みが治まった経験をしました。何なんだ? 何かある。

いったいどうして針を刺すこと無く痛みがなくなるんだ?・・・

何をしたかというと、楽になったイメージをして思いをこめて祈ったのです。ただそれだけ。そのとき私の中にスイッチが入りました。

気だ!気を診断できれば・・・・!

気診との出会い

ある先生の治療を見て驚嘆しました。今となっては違和感はありませんがいわゆる接触治療、そして気功治療でした。

針を接触させただけで治っている。手を触れずに治る!!!!

先生は、首の筋肉をつまんでいるだけ?患者さまは3分ほどの治療でも喜んでいらっしゃいました。治療は3分でも、雰囲気はゆったりとしていました。そして、この場の感覚はとても気持ちよく感じたのも覚えています。

交通事故のときに感じた、何かに守られ、気持ちよく包まれている感覚に近いものを感じたといっていいでしょう。

そして、実際治療を受けてみたところ曇り空が青空に変わる爽快感を味わうことができたのです。

あっ、これだ!!!

治療は針をささねばならないという事はないんだ。患者さんが喜べばいいんだ。

治療の真髄は気の調整なんだ!

私が探していたものはこれだと直感しました。捜し求めてきたものが目の前にあったのです。そのときのワクワクは今でも忘れられません。平成6年、小田一先生、鍼灸気診研究会との出会いです。気診とは気の診断と治療のシステムです。

頚部の筋肉をつまんで気を診断する検査法です。それから気診を用いた治療をおこない、多くの人の苦痛を笑顔に変えるための修行が始まりました。

自分がつらい状態では人を癒せない。自分の治療が出来て初めて他人の治療が出来るだろう。まず、自分の治療をしようと。徹底的に自分の身体で実験した。気診で自分の状態を調べ、適応するツボを気診で見つけ治療していきました。

これが気診という気の診断ができるメリットだろう。治療がうまくいった時は自分の身体が楽になる。うまくいいかなかったら変化はない。自分の身体は正直なものです。

気診の修行を始めて、3年ほどたった頃でしょうか、気診のおかげで治療の効果が劇的に変わりました。

気診により治療するつぼが分かるようになったり。その後、南無阿弥陀仏の治療で腰痛が治ったり。自律神経失調症や更年期障害、うつ病が治ったり。

聖書の言葉でも治療でき、効果がありました。気診ができてとても有難く思いました。

治療がスムーズに出来るようになるにつれて、自分自身の体調もよくなったのです。そして、家族からも気診治療してほしいと頼まれる存在になった時、開院を決意しました。

寿楽堂という治療院の名前の由来

人はみな、長寿を願い安楽を願います。寿とはいのちのこと。

院の名前を考えている時、私の脳裏には、いのちが楽しく、安楽な人たちが集まるお堂が思い描かれました。

そこで治療院の名前を、寿楽堂としたのです。

いっしょに、有り難い授かりものの「いのち」を楽しんでみがき輝かせましょう。


院長:泉

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