【5秒でご案内】症状検索ページもご利用ください

肩甲骨はがしの危険性とは?安全に効果を得るための注意点を鍼灸師が解説

本日の予約状況

肩甲骨の動きを良くする施術として話題の肩甲骨はがしですが、正しい知識なく行うと思わぬトラブルを招くことがあります。肩こりや姿勢の改善に効果が期待できる一方で、無理な力や誤った方法で行えば筋肉や関節を傷めるリスクも存在するのです。

この記事では、肩甲骨はがしに潜む危険な側面と、安全に施術を受けるためのポイントを詳しくお伝えします。自己流でケアを始める前に、どんなリスクがあるのかを知っておきませんか。

肩甲骨はがしとは何か

肩甲骨はがしは、デスクワークやスマートフォンの長時間使用で凝り固まった肩甲骨周辺の筋肉をほぐし、肩甲骨の可動域を広げることを目的とした施術です。肩甲骨を背中から引き離すように動かすことで、周囲の筋肉の緊張を緩和し血行促進を図ります。

名前は少々物騒ですが、実際に骨を剥がすわけではありません。肩こりや首の痛みに悩む方の間で注目を集めており、整体院やリラクゼーションサロンで施術メニューとして提供されています。また動画サイトなどでセルフケアの方法も多く紹介されるようになりました。

しかし、正しい知識を持たずに行うと逆効果になる可能性があることを知っておく必要があります。

肩甲骨はがしで起こりうる身体への悪影響

肩甲骨周辺には複雑に絡み合った筋肉や神経、血管が存在しており、不適切な施術はさまざまなトラブルの原因となります。正しい方法で行えば効果が期待できる肩甲骨はがしですが、力加減を間違えたり自己流で無理に動かしたりすると、筋肉や関節、神経に深刻なダメージを与えてしまうことがあるのです。

筋肉や腱に与える損傷リスク

肩甲骨の周辺には広背筋や菱形筋など、肩の動きに関わる重要な筋肉が集まっています。強引に肩甲骨を動かそうとすると、これらの筋繊維が損傷して炎症を起こすことがあります。

特に筋肉の柔軟性が低下している状態で急激な動きを加えると、筋肉の過伸展や断裂といった深刻な怪我につながるリスクも否定できません。施術後に感じる軽い筋肉痛は通常数日で治まりますが、強い痛みや腫れが続く場合は筋肉を傷めている可能性があります。

関節や靭帯への負担

肩関節は人体の中でも可動域が広い反面、不安定な構造を持つ関節です。肩甲骨に不適切な力がかかると、関節が正常な位置からずれて脱臼や亜脱臼を引き起こす危険性があります。

また関節を支える靭帯や関節包を傷つけると、慢性的な痛みや可動域制限の原因になりかねません。一度損傷した靭帯は完全に元通りになるまで時間がかかります。

神経や血管への圧迫

肩甲骨の周辺には腕や手の感覚・運動に関わる重要な神経が通っています。不適切な施術でこれらの神経が圧迫されると、しびれや感覚異常、筋力低下などの症状が現れることがあります。長時間の圧迫は神経障害を進行させ、回復までに相当な期間を要する場合もあるのです。

さらに血管が圧迫されることで血行不良が生じ、冷えやむくみを引き起こすこともあります。

肩甲骨はがしで起こりうる主なトラブル

部位起こりうる症状原因
筋肉・腱炎症、筋繊維の損傷、揉み返し過度な力、急激な動き
関節・靭帯脱臼、亜脱臼、慢性痛不適切な角度での施術
神経しびれ、感覚異常、筋力低下神経の圧迫
血管冷え、むくみ、血行不良血管の圧迫

施術を受ける際に注意が必要な方

肩甲骨はがしはすべての方に適しているわけではありません。既往症や持病をお持ちの方、特定の身体的条件がある方は、施術によって症状が悪化するリスクがあります。自分の身体の状態を正しく把握し、必要に応じて医師に相談してから施術を受けることが重要です。

持病や既往歴がある方

以下のような疾患をお持ちの方は、肩甲骨はがしを受ける前に必ず医師に確認することをおすすめします。

  • 骨粗鬆症や骨密度が低下している状態
  • 五十肩や頚椎症など肩・首の疾患
  • 関節炎やリウマチなどの炎症性疾患
  • 椎間板ヘルニアなど神経系の疾患
  • 心臓疾患や高血圧

骨粗鬆症の方は骨密度の低下により、強い圧力で骨折する危険性が高まります。関節炎の方は関節に負担がかかることで炎症が悪化し、痛みが増すこともあるでしょう。

妊娠中の女性

妊娠中は肩こりや背中の痛みを感じやすくなりますが、肩甲骨はがしを行う際には特別な配慮が必要です。ホルモンバランスの変化や体重増加により、関節や筋肉が普段より敏感になっています。

強い刺激は流産や早産のリスクを高める可能性があるため、必ず産科医に相談してから施術を検討してください。

高齢者や成長期のお子さん

高齢の方は骨密度の低下や筋力の衰えが見られることが多く、強い力を加えると骨折や筋肉損傷を引き起こすリスクがあります。一方で成長期のお子さんは骨や関節がまだ発達途中にあるため、過度な力が成長に悪影響を及ぼす恐れがあります。

いずれの場合も、専門的な知識を持つ施術者に依頼することが大切です。

セルフケアで行う場合の落とし穴

インターネットや動画サイトで紹介されるセルフケア方法を試す方も増えていますが、自己流で行う肩甲骨はがしにはいくつかの注意点があります。自分の身体の状態を正確に把握できないまま施術を行うと、効果が得られないばかりか症状を悪化させてしまうこともあるのです。

力加減の判断が難しい

セルフケアでは自分で力加減を調整する必要がありますが、どの程度の強さが適切なのか判断するのは容易ではありません。効果を早く実感したいあまりに無理な力を加えてしまうと、筋繊維の損傷や関節の炎症を招く原因になります。

気持ちよく感じる程度の力から始め、痛みを感じたらすぐに中止することが鉄則です。

体の状態に合わない方法を選んでしまう

動画などで紹介される方法は、すべての人に適しているとは限りません。個々の体の柔軟性や筋力、既往症などを考慮せずにそのまま真似をすると、自分には合わない動きで身体を傷めてしまうことがあります。

左右のバランスを考慮せず片方だけを重点的に動かすと、姿勢の歪みを招くこともあるため注意が必要です。

セルフケアで陥りやすい失敗パターン

  1. 効果を急ぎすぎる → 強い力で無理に動かして筋肉を傷める
  2. 痛みを我慢する → 「痛いほど効く」という誤解で症状が悪化
  3. 動画を鵜呑みにする → 自分の体の状態に合わない方法を続ける
  4. 準備運動をしない → 硬い筋肉にいきなり負荷をかけて揉み返しが起きる

安全に肩甲骨はがしを行うためのポイント

肩甲骨はがしの効果を安全に得るためには、いくつかの基本的なルールを守ることが重要です。無理をせず自分の身体と対話しながら行うことで、リスクを最小限に抑えながら肩こりの改善を目指せます。

事前のウォーミングアップを欠かさない

筋肉が硬直した状態でいきなり肩甲骨を動かすと、揉み返しや痛みが起こりやすくなります。施術前には軽いストレッチや温めるなどして、筋肉を十分にほぐしておくことが大切です。入浴後の身体が温まっている状態で行うのもおすすめです。

痛みを我慢しない

施術中に痛みや強い違和感を感じた場合は、すぐに中止することが基本です。痛みを我慢して続けると、筋肉や関節をさらに傷つけてしまう可能性があります。心地よいと感じる程度の刺激にとどめ、無理のない範囲で行いましょう。

専門家への相談を検討する

自分では判断が難しい場合や、既往症がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。資格を持った施術者であれば、身体の状態を見極めたうえで適切な施術方法を提案してくれます。施術前にしっかりとカウンセリングを行ってくれる施術者を選ぶことがポイントです。

施術後に症状が出た場合の対処法

肩甲骨はがしの施術後に筋肉痛や違和感を感じることは珍しくありませんが、症状が長引く場合は適切な対処が必要です。通常の反応なのか、それとも何らかの問題が生じているのかを見極め、必要に応じて医療機関を受診しましょう。

軽い筋肉痛や倦怠感の場合

施術後に感じる軽い筋肉痛は、普段動かさない筋肉が刺激されたことによる一時的な反応です。十分な休息をとり、患部を温めることで血行を促進すると回復が早まります。水分補給をしっかり行い、激しい運動は控えるようにしましょう。

強い痛みやしびれが続く場合

数日経っても強い痛みや腫れ、しびれが改善しない場合は、速やかに医療機関を受診してください。筋肉や神経に何らかのダメージが生じている可能性があります。自己判断で痛み止めを使用する前に、専門の医師に相談することをおすすめします。

肩甲骨の動きを安全に改善するために

肩甲骨はがしには確かに肩こり改善などの効果が期待できますが、誤った方法で行えば筋肉や関節、神経を傷めるリスクがあることをお伝えしました。特にセルフケアで行う場合は力加減の調整が難しく、知らず知らずのうちに身体に負担をかけてしまうこともあります。

肩こりの原因は人それぞれ異なります。単に肩甲骨を動かすだけでなく、なぜ肩甲骨が固まってしまったのか、その根本原因を見極めることが大切です。つらい肩こりでお悩みの方は、一度専門家にご相談されることをおすすめいたします。あなたに合った施術方法を一緒に見つけていきましょう。


院長:泉

どんなお悩みもお気軽にご相談ください

住所
富山県射水市八幡町2-13-2
電話番号
0766-84-5355
定休日
日曜日
ご予約・お問い合わせ
050-3645-3688
24時間受付中

気軽にシェアしてください