
院長:泉お気軽にご相談ください!


「シーバー病と診断されたけど、これって身長に影響するの…?」そんなご不安を抱えて、夜中にスマホで調べている親御さんに、ぜひ読んでいただきたいと思います。お子さんのかかとの痛みが成長の妨げになるのではと心配されるお気持ち、よくわかります。
結論からお伝えします。シーバー病(踵骨骨端症)は、適切なケアをすれば身長の成長を止める病気ではありません。ただ、誤解や放置が長引く原因になることも事実です。
30年間、富山で東洋医学を軸にお子さんから高齢者まで17万人以上の施術に携わってきた私が、今日は保護者の方に向けて、シーバー病と成長の関係をわかりやすくお伝えします。どうか最後まで読んでみてください。


「シーバー病になったら身長が伸びなくなる」という話を耳にする方は多いのですが、これは医学的に根拠のある話ではありません。むしろ、成長期の旺盛な発育がこの症状を引き起こしているというのが正確なところです。焦らず、正しく理解していただくことが何より大切だと感じています
シーバー病は「踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)」とも呼ばれ、かかとの骨の成長軟骨部分に過度な負荷がかかることで炎症が起きる状態です。主に5歳から12歳ごろの活発なお子さんに多く見られ、サッカーや野球、バスケットボールなど走ったり跳んだりするスポーツをしているお子さんによく起こります。
かかとには「骨端線(こったんせん)」と呼ばれる、骨が成長するための軟骨部分があります。この部分はまだ柔らかく、繰り返しの衝撃や筋肉の引っ張りに対して大人の骨ほどの強さを持っていません。だからこそ、成長期の子どもは同じ動作を繰り返すことでここに負担が集中しやすいのです。
シーバー病が起きやすいのは、身長が急に伸びる時期と重なっています。骨が一気に伸びようとする一方で、筋肉や腱がその伸びに追いつけず、アキレス腱がかかとの骨端部を強く引っ張ってしまうことが原因のひとつです。つまり、身長がぐんぐん伸びている元気な証拠でもあるということです。
発症のピークは男の子で9〜11歳、女の子で7〜9歳ごろとされています。女の子のほうが成長のタイミングが早いため、発症する年齢も少し早い傾向があります。また、男の子の発症率が女の子の約2倍といわれており、活動量の多さとも関係しているようです。
「シーバー病になると身長が伸びなくなる」という話が保護者の間で広まる背景には、いくつかの思い込みが重なっています。成長軟骨に関わる病気だと聞けば、当然「骨の成長に影響するかもしれない」と心配するのは自然なことです。でも、この心配は医学的には誤解に近いものです。
まず大切なのは、シーバー病で炎症が起きる「かかとの骨端部」と、身長を伸ばす「骨端線」は、同じ骨の中でも役割の異なる別の部位だという点です。身長の伸びを担っているのは、大腿骨(ふともも)や脛骨(すね)などの長管骨の両端にある成長板です。かかとの骨端炎がそこに直接影響することはありません。
かかとの骨端部は「身長を伸ばす場所」ではなく、「かかとの骨の形を完成させる場所」という役割を担っています。ここに炎症が起きることで痛みが出ますが、身長の成長ルートとは別のラインにある、というのが正確な理解です。
「どうせ成長痛だから」と様子を見ているうちに、お子さんが痛みをかばって歩き方や走り方が変わってしまうことがあります。そうすると、ひざや股関節、腰など別の部位への負担が増え、連鎖的に不調が広がる可能性があります。成長痛と混同してケアを後回しにすることが、一番避けたい落とし穴です。
シーバー病と成長痛は、痛みの出る仕組みがまったく異なります。成長痛は主に夜間に両脚の膝周辺に出ることが多く、原因も完全には解明されていません。一方、シーバー病はかかとの特定の部位に起きる炎症で、運動後に痛みが強くなるという明確な特徴があります。この違いをしっかり見極めることが、回復への近道です。
むしろ、シーバー病が発症するということは、その子の骨がきちんと成長している証拠でもあります。骨の成長スピードと筋肉・腱の成長スピードに一時的なギャップが生まれることでこの症状が起きているため、身長の伸びが止まればシーバー病が落ち着くケースも多いのです。ですから、「シーバー病が治ってから身長が伸びる」のではなく、「身長が伸びるペースが落ち着くとシーバー病も治まってくる」という流れで理解するほうが実態に近いといえます。
成長期のお子さんの身体は、大人とはまったく異なる動きをしています。骨が伸び、それに伴って筋肉や靱帯、腱も引き伸ばされていく、非常にダイナミックな変化の時期です。この時期に適切なケアをせず運動量だけを増やしていると、かかとだけでなくひざ(オスグッド病)や腰など複数の部位にトラブルが出やすくなります。
東洋医学の視点では、成長期の子どもは「腎」のエネルギーが骨の成長を主導していると考えます。腎の気が充実していることが、骨や歯、髄の健全な発育につながると伝えられています。お子さんの身体の成長を全体として支えるためには、局所的な患部のケアだけでなく、身体全体のバランスを整えていくことが重要だと私は感じています。


シーバー病は適切なケアをすれば多くの場合、数週間から数か月で回復します。しかし、症状を放置したり、無理をして運動を続けたりすると回復が大幅に遅れることがあります。長引かせないために知っておきたいポイントをいくつかお伝えします。
シーバー病の回復が遅れる背景には、いくつかの共通したパターンがあります。まず、痛みが出ているにもかかわらず「たいしたことない」と練習を続けること。次に、かかと周辺の柔軟性が低いままで運動を再開すること。そして、インソール(中敷き)などによる衝撃吸収対策をせずに硬い地面での運動を続けることです。
お子さん本人は痛みをこらえて練習を続けようとする場合が多く、保護者がお子さんの様子を丁寧に観察し、痛みのサインを見逃さないことがとても重要です。「試合があるから」「レギュラーを外されるのが嫌だから」という気持ちで無理をさせることが、長期的には競技生活にとって大きなマイナスになります。
日常的に取り組めるセルフケアとして、アキレス腱とふくらはぎのストレッチは非常に効果的です。アキレス腱の硬さがかかとへの引っ張り力を増幅させているため、柔軟性を保つことで炎症のリスクを下げることができます。ストレッチは入浴後など体が温まっているタイミングに行うとより効果的です。
また、クッション性の高いシューズやかかとにパッドを入れたインソールの活用も、地面からの衝撃をやわらげるうえで役立ちます。競技によって合うシューズが異なりますので、スポーツ用品店で専門スタッフに相談しながら選ぶことをおすすめします。
整形外科ではレントゲン検査のうえ、安静・ストレッチ・インソールの使用といった対応が中心になることが多いです。それ自体は正しい対処ですが、「なぜその子がその時期にシーバー病になったのか」という体全体のバランスの問題には、なかなかアプローチしにくいのも実情です。
当院では、シーバー病のお子さんに対して、患部だけでなく身体全体のバランスを気診(筋反射テスト)で確認しながら施術を行っています。筋肉の過緊張をやわらげ、アキレス腱への負荷を減らすために、足だけでなく骨盤・腰・ひざなどを含めた全体的な調整を行います。
成長期のお子さんは自律神経も敏感です。睡眠の質・食欲・ストレスの状態が筋肉のコンディションに直接影響します。東洋医学ではこれらを切り離さず、全身のエネルギーの流れとして捉えます。かかとの痛みというサインを、身体全体からのメッセージとして読み取ることが根本改善への第一歩だと考えています。
「病院でシーバー病と言われ、安静にするよう指導されたけれど、何週間たっても痛みが引かない」「ストレッチをしているのに再発を繰り返している」というご相談をいただくことが少なくありません。一度改善しても再発するというパターンは、局所の炎症は落ち着いても、根本的な身体のバランスが戻っていないことが多いのです。
また、「休ませると身長やスポーツの成長に影響しないか心配で、なかなか休ませられない」という親御さんもいらっしゃいます。お気持ちはとてもよくわかります。でも、今ここでしっかりと体を整えることが、長く競技を続けるための土台になります。焦らなくて大丈夫です。
保護者の方から寄せられることの多い疑問について、わかりやすくお答えします。
はい、シーバー病が適切に治癒すれば、身長の成長に影響はありません。先ほどご説明した通り、かかとの骨端部と身長を伸ばす骨端線は異なる場所にあります。シーバー病が「治れば身長が伸びる」というよりも、「身長の伸びが落ち着くにつれてシーバー病の症状も安定する」という流れが一般的です。
症状の程度によります。痛みが強い急性期は患部への負荷を減らすことが必要ですが、すべての運動をゼロにしなければならないケースはむしろ少数です。水泳など衝撃の少ない運動を取り入れながら、体力や筋力を維持することも可能です。担当の先生や施術者と相談しながら、その子に合った「動き方のルール」を決めることが大切です。
シーバー病は身長が伸びている時期(成長期)に起きやすいため、成長が落ち着くまでのあいだは再発しやすい状態が続くことがあります。一般的には骨端線が閉鎖する12〜15歳ごろに自然と症状が出なくなることが多いですが、個人差があります。再発を繰り返す場合は、根本的な筋肉のバランスや身体の使い方を見直すことが有効です。
お子さんのかかとの痛みを前に、「無理をさせたのかな」「もっと早く気づけばよかった」と自分を責める親御さんもいらっしゃいます。でも、シーバー病は元気なお子さんがよく発症する症状です。それほどスポーツを頑張っているということでもある。まずは、そのことをお子さんと一緒に受け止めてあげてほしいと思います。
親御さんにできる大切なことは、痛みを我慢させないこと、そして「今の体の状態をきちんと診てもらう」という選択をすることです。焦って「早く治してスポーツに復帰させたい」という気持ちもわかりますが、身体の声に丁寧に耳を傾けながら進んでいくことが、結果として最短の回復につながります。
30年間、多くのお子さんと保護者の方に寄り添ってきた経験から言えること、それは「一人で抱え込まないでほしい」ということです。どんな些細な疑問でも、ぜひ気軽に相談していただける環境が、あなたの近くにあってほしいと願っています。もし富山・射水周辺にお住まいで、お子さんのかかとの痛みでお悩みでしたら、当院でも一緒に考えさせていただきます。一人で悩まず、どうぞいつでもご相談ください。