
院長:泉お気軽にご相談ください!


毎朝、玄関を開けるたびにため息が出る。そんな季節がまたやってきましたね。雪国で暮らしていると、除雪による腰や身体の痛みは、もはや「生活の一部」になってしまっているのではないでしょうか。「またか…」と思いながら重いスコップを手に取る、あの感覚、よくわかります。
「みんな同じように頑張っているんだから、自分だけ弱音を吐いてはいけない」と思っていませんか?でも、毎年繰り返される雪かきの疲れや痛みは、我慢するほど身体に蓄積されていきます。


除雪のあとに腰や肩がじんわり痛む、翌朝起き上がれない…そういったお声を冬になると本当によく聞きます。「慣れているから大丈夫」ではなく、毎年繰り返す疲れこそ、東洋医学で根本から整えるチャンスだと思っています
除雪作業がこれほど身体への負担が大きい理由には、実はいくつかの要因が重なっています。単に「重いものを持つから」だけでなく、寒さ・姿勢・反復動作が同時に身体を追い詰めるのです。
気温が低いとき、筋肉は縮こまって硬くなります。そこに重い雪を持ち上げる・投げる・押すという動作が加わると、普段以上に筋肉や関節に負荷がかかります。しかも、それを毎朝何十分も繰り返すわけです。
起き抜けや朝の冷えた時間帯は、全身の筋肉がまだ温まっていません。その状態でいきなり身体を大きく動かすことは、ウォーミングアップなしで全力疾走するようなものです。筋肉が温まっていないまま無理な力をかけると、腰椎や仙腸関節まわりの筋肉・靱帯に微細な損傷が生じやすくなります。
雪をすくって横に投げる動作は、「前傾姿勢+腰のひねり」が同時に起きています。この組み合わせは、腰にとって最もダメージが蓄積しやすい動きのひとつです。一回ひとりは大したことがなくても、何十回・何百回と繰り返すうちに、腰は悲鳴を上げ始めます。
「また雪が積もっている」という憂うつ感。終わりの見えない作業への疲弊感。これらは身体の疲れと連動して、自律神経のバランスを崩す原因になります。東洋医学では、こころと身体は切り離せないものと考えます。精神的な疲れがそのまま身体の不調として現れることも多いのです。
除雪による身体の不調は、腰だけではありません。毎年この時期になると、当院にはさまざまな症状でお越しになる方が増えます。よくある痛む部位と症状をまとめてみました。
| 痛む部位 | よくある症状 | 主な原因 |
|---|---|---|
| 腰・仙骨まわり | 朝起きると腰が固まっている、立ち上がりが辛い | 中腰での反復動作・ひねり |
| 肩・首 | 肩が重い、首を回すと痛い | 力みによる筋肉の緊張・寒さ |
| 膝・股関節 | 雪の上での踏ん張りで痛みが出る | 不安定な足元・過度の負荷 |
「腰が痛いのは歳のせいだから仕方ない」と思っていませんか?確かに年齢とともに回復力は落ちますが、だからこそ適切なケアがより重要になります。放置していると慢性化し、次第に日常生活まで影響が出てきます。


除雪のあとに何もしないで過ごしていると、翌朝の動き出しがどんどん辛くなっていきます。身体に蓄積した疲れや炎症をその日のうちにケアする習慣が大切です。
終わったあとは、冷えた身体をすぐに温めることが優先です。熱いお風呂よりも、少しぬるめの湯船にゆっくりつかるほうが、筋肉の緊張をほぐす効果があります。急激な温度変化は血圧に影響するため、特に高血圧気味の方は注意が必要です。
身体が冷えた状態でストレッチをすると、筋肉を傷めることがあります。入浴後や室内で十分に温まってから、腰まわりや太もも、お尻の筋肉をゆっくり伸ばしましょう。特に梨状筋(お尻の深いところの筋肉)のストレッチは、腰痛の予防にとても効果的です。
除雪後24時間以内で、患部がじんわり熱を持っているようなら「冷やす」のが正解です。一方、翌々日以降に鈍くなった痛みが残っているなら「温める」ケアに切り替えましょう。この見極めを間違えると、炎症が長引くことがあります。
西洋医学では「筋肉の炎症」や「椎間板への負荷」として捉えられる除雪後の腰痛ですが、東洋医学では少し違う視点から見ていきます。
腰は東洋医学において「腎(じん)」の臓と深く関係しています。腎は生命エネルギーの根本とも言われ、冷えや疲労に弱いとされています。雪かきは「寒さ」「身体の疲弊」「精神的なストレス」という、腎を消耗させる三拍子が揃った作業です。
腎のエネルギーが不足した状態を「腎虚」といいます。腰のだるさや痛みが慢性化している方、足腰の冷えが強い方、疲れやすくなった方は、腎虚のサインである可能性があります。除雪シーズンを通じて毎年同じ部位が痛む方は、身体全体のエネルギーバランスを整えるアプローチが根本解決につながります。
東洋医学では、痛みの多くは「気血(きけつ)の滞り」から生じると考えます。寒さによって血行が悪くなり、筋肉が固まった状態が続くと、気血の流れが止まって痛みが慢性化していきます。この滞りをほぐすために、ツボへのアプローチが有効なのです。
「湿布を貼って様子を見る」という方が多いですが、表面的な痛みへの対処だけでは、根本の原因が残ったままになります。当院では、独自の気診(きしん)検査によって身体のどこに滞りがあるかを調べ、そこに的確にアプローチしていきます。
筋反射テストを使った気診では、触診や問診だけでは見えにくい身体の内側の状態を調べることができます。腰が痛いからといって、必ずしも腰だけが原因とは限りません。内臓の疲れや自律神経の乱れが腰痛として現れることもあるため、全体を診る視点がとても大切です。
当院の施術の大きな特徴は、気診で見つけた最も効果的なたったひとつのツボに、髪の毛ほどの細さの鍼を使って施術することです。痛みはほとんどなく、むしろ施術後に身体がじんわりと温まる感覚を多くの方が体感されています。力強いマッサージや強い鍼が苦手な方にも安心して受けていただけます。
毎シーズン同じように身体をつらくさせないためには、除雪シーズン中の定期的なケアが効果的です。痛みが出てから来院するのではなく、「疲れを貯める前に整える」という考え方が、長い目で見ると身体の底力を育てていきます。
鍼灸に通うことと並行して、日常的なセルフケアも取り入れると相乗効果が生まれます。毎朝の雪かきを少しでも楽にするために、生活の中に取り入れてほしい習慣をご紹介します。
小さな積み重ねが、身体を守る大きな盾になります。「今年こそ除雪で身体を壊したくない」と思っている方、ぜひ今日から取り入れてみてください。
除雪による身体の疲れや痛みは、「雪国に住んでいる以上仕方ない」と諦めてしまいがちです。でも、毎年同じ痛みを繰り返すことは、決して当たり前ではありません。
30年間で17万人以上の方の身体とこころを診てきた経験の中で、私がずっと感じていることがあります。それは、「我慢し続けた身体は、ある日突然限界を迎える」ということです。腰の違和感をそのままにしていた方が、ある朝起き上がれなくなってしまった——そういった方を何人も見てきました。
除雪がつらいのは、あなたの身体が正直に訴えているサインです。そのサインを受け取って、適切にケアしてあげることが、長く元気に雪国で暮らし続けるための秘訣だと、私は考えています。「ちょっと相談してみようかな」という気持ちが少しでもあれば、どうかその気持ちを大切にしてください。一人で悩まずに、気軽に話しかけてほしいのです。