
院長:泉お気軽にご相談ください!


なんだか最近、気持ちが晴れない。イライラが止まらない。ため息ばかり出てしまう。そんな日が続いていませんか?病院に行っても「異常なし」と言われるのに、どこかしんどい。そういった漠然とした不調の正体が、東洋医学でいう肝鬱(かんうつ)である可能性があります。
今日は、そんな「なんとなくの不調」を抱えている方に向けて、東洋医学の視点からやさしくお伝えしていきますね。


30年で17万人以上を診てきた中で、「肝鬱」に悩んでいる方はとても多いと感じています。特にストレスを抱えた女性に多く、身体よりも先に”気”の乱れとして症状が出てくることが多いんですね。早めに気づいて対処することが、心身を整える近道になります
東洋医学では、「肝(かん)」は単なる臓器ではなく、全身の「気」の流れを調節し、感情のバランスを保つ重要な役割を担っていると考えます。西洋医学の「肝臓」と名前は似ていますが、その意味はずいぶん異なります。
肝は、血(けつ)を蓄えて全身に届ける働きと、気の流れをスムーズに巡らせる疏泄(そせつ)という機能を持っています。この疏泄がうまく働いているとき、私たちはのびのびと気持ちよく過ごすことができます。
疏泄とは、気を全身にのびやかに流す働きのことです。ストレス、過労、感情の抑圧などが重なると、この流れが滞ってしまいます。気が詰まった状態、それが「肝鬱」です。
肝の疏泄は、消化吸収にも深く関わっています。だから肝鬱になると、胃腸の不調まで引き起こすことがあるのです。
肝鬱の状態になると、心と身体の両面にさまざまなサインが現れてきます。「これって私のことかも?」と感じる方も多いはずです。
よく見られるのは、気分の落ち込みやイライラ感です。怒りっぽくなったり、反対に気力が湧かなくなったりと、感情が安定しにくくなります。身体面では、胸や脇腹の張り感、ため息が多くなる、のどに何かつかえるような感覚(梅核気)などが現れることがあります。
肝鬱は、特に女性に多く見られます。なぜかというと、肝は「血(けつ)を蔵す」という大切な機能を持っており、月経・妊娠・出産など血に深く関わる女性の身体とは切り離せない関係にあるからです。
月経前になるとイライラが激しくなったり、胸が張ったりするPMSも、東洋医学的には肝鬱が関係していることが多いのです。生理不順や経血量の変化も、肝の乱れのサインとして見ることができます。
以下のような症状が続いている場合、肝の気の流れが乱れているサインかもしれません。
いくつか当てはまるものがありましたか?ひとつでも「そうかも」と感じたなら、身体からのサインを大切にしてあげてください。


肝鬱が生じる原因として最も大きいのは、やはりストレスです。ただ、ここでいうストレスとは「仕事のプレッシャー」だけではありません。怒りや悲しみ、心配事といった感情の抑圧、睡眠不足、食生活の乱れ、長時間のデスクワークなど、日常のさまざまな習慣が積み重なることで、肝の疏泄が少しずつ乱れていきます。
現代社会は、知らず知らずのうちに肝に負担をかける環境がとても多いといえるでしょう。
肝鬱と似た言葉に「肝鬱気滞(かんうつきたい)」「肝気鬱結(かんきうっけつ)」があります。これらは同じ流れの中にある概念で、肝の気の巡りが滞った状態を指します。
「肝鬱」は状態、「気滞(きたい)」はその結果として気が停滞していることを指すと考えると、理解しやすいでしょう。どちらも根本にあるのは「気の流れが詰まっている」という状態です。
肝鬱の改善には、気の流れを取り戻すことが最優先です。東洋医学では、この滞った気を疏通(そつう)させることを「疏肝(そかん)」と呼びます。
鍼灸では、肝経や胆経のツボに働きかけることで、気の流れをやわらかく整えます。強い刺激ではなく、ふわっとした優しい鍼と灸で、詰まったエネルギーをほぐしていくイメージです。
鍼灸の施術と並行して、日常生活の中でも肝を養うことができます。肝は「伸びやかな気の流れ」を好みます。
| ケアの種類 | 具体的な方法 |
|---|---|
| 運動・ストレッチ | ウォーキングや軽いヨガで気を巡らせる |
| 食養生 | 春菊・セロリ・柑橘類など、肝を助ける食材を取り入れる |
| 睡眠 | 23時前に就寝し、肝の修復時間(23時〜3時)を確保する |
| 感情の発散 | 日記を書く、友人に話すなど、気持ちを溜め込まないようにする |
鍼灸は、自律神経を整え、血流と気の流れを同時に改善できる施術です。肝鬱の背景にあるストレスや感情の抑圧に対して、身体の奥から働きかけることができます。
当院では気診(筋反射テスト)を用いて、肝経・腎経など各経絡の状態を確認し、あなたの身体に合ったツボを選んで施術を行います。子どもでも安心して受けられる優しい刺激で、心と身体を同時に整えていきます。
「少しイライラするだけだから大丈夫」と思って放置してしまう方も多いのですが、肝鬱が長期化すると、他の臓腑にも影響が広がることがあります。
肝の気の滞りが続くと、やがて「火(か)」に転じて、怒りが激しくなったり、頭痛・耳鳴り・めまいが現れる「肝火上炎(かんかじょうえん)」へと進行することがあります。また、肝は脾(ひ・胃腸の働き)とも密接に関わるため、肝鬱が強くなると食欲不振や下痢・便秘といった消化器症状も悪化しやすくなります。
気の流れが長期間乱れると、気持ちの落ち込みが深くなり、うつ状態へと発展するケースもあります。東洋医学でいう「肝鬱化火(かんうつかか)」「心神不寧(しんしんふねい)」といった病態につながることもあり、「なんとなく不調」のうちに対処することがとても重要です。
富山寿楽堂鍼灸院・整体院では、肝鬱の方に対して、はじめにストレス検査(唾液アミラーゼ測定)と気診による東洋医学的検査を行い、身体の状態を丁寧に確認します。
検査で得られたデータをもとに、肝経や関連する経絡へのはり・灸施術を計画します。施術はとても優しく、痛みを感じにくいものなので、初めての方でも安心してお受けいただけます。
肝鬱に伴うさまざまな症状に対し、多くの方が施術後の変化を実感されています。
身体と心は深くつながっています。どちらかだけを整えようとするのではなく、両方同時に診ていく東洋医学の考え方は、肝鬱のような「心身の不調」にこそ力を発揮します。
イライラやため息、気力の低下といった症状は、「性格の問題」でも「気のせい」でもありません。東洋医学では、それは肝の気の流れが乱れているサインとして受け取ります。
大切なのは、我慢して放置しないこと。「なんとなくおかしいな」と感じたときこそ、身体に向き合うチャンスです。肝鬱は早めに気づいて対処することで、しっかりと改善できる状態です。30年で17万人以上を診てきた経験から、どうか一人で抱え込まないでいただきたいと思っています。ご自身のことでも、大切な方のことでも、何かひとつでも気になることがあれば、いつでも気軽にご相談ください。あなたの心と身体の健康を、全力で応援します。