
院長:泉お気軽にご相談ください!

院長:泉お気軽にご相談ください!

朝、目覚ましを止めながら「もう少しだけ眠りたい」と感じることはありませんか。
早めに寝たつもりなのに、頭がぼんやりする。休日にたくさん寝ても、月曜日の朝はつらい。そんな日が続くと、自分の眠り方が気になりますよね。
睡眠サイクルを調べると、「90分の倍数で起きるとよい」という情報を見かけます。ただ、時間を計算するだけで、誰もが気持ちよく起きられるわけではありません。
大切なのは、眠りの仕組みを知ったうえで、必要な睡眠時間と毎日の生活を見直すことです。今回は、朝がつらい方に向けて、無理なく取り組める整え方をお話しします。
院長:泉眠りは頑張って操るものではありません 90分という数字に縛られず、あなたの身体が休める条件を一緒に考えていきましょう

睡眠サイクルとは、眠っている間にノンレム睡眠とレム睡眠が繰り返される流れのことです。一晩中、同じ深さで眠っているわけではありません。まずは二つの眠りの特徴と、朝に向けて変化する仕組みを、順番に見ていきましょう。
眠り始めると、通常はノンレム睡眠に入ります。最初はうとうとした浅い状態ですが、そこから少しずつ深い眠りへ移っていきます。
ノンレム睡眠には深さの違いがあり、すべてが「ぐっすり眠っている状態」というわけではありません。浅い段階も、深い段階も含まれています。
とくに深いノンレム睡眠は、一般的に眠りの前半に多く現れます。身体や脳の休息を考えるうえで大切ですが、深い睡眠だけが長ければよいわけでもないのです。
ノンレム睡眠の後には、レム睡眠が現れます。レム睡眠では脳の活動が比較的活発になり、鮮明な夢を体験することもあります。
「レム睡眠は浅いから、少ないほうがよい」と思われがちですが、それは違います。記憶や感情の処理などに関わる、必要な眠りの一つです。
また、夢はレム睡眠のときだけに見るとは限りません。夢を覚えていたからといって、それだけで睡眠の質が悪いと判断する必要はありませんよ。
ノンレム睡眠とレム睡眠の一巡は、一般的におよそ90〜120分と説明されます。この流れを、一晩の中で何度か繰り返しています。
ただし、周期の長さは人によって違い、同じ人でも一定ではありません。眠りの前半と後半でも、各段階の長さや現れ方は変化します。
朝に近づくにつれて深いノンレム睡眠は少なくなり、レム睡眠が長くなる傾向があります。睡眠は、同じ形の波を機械的に繰り返しているわけではないのです。
「6時間や7時間半なら、すっきり起きられる」と聞くと、試してみたくなりますよね。ただし、睡眠周期は90分ぴったりに固定されていません。計算の便利さと限界を知り、眠る時間を削らない使い方を考えることが大切です。
寝つくまでの時間も、その日の睡眠周期も、毎晩まったく同じにはなりません。布団に入った時刻から90分ずつ数えても、眠りの段階を正確には予測できないのです。
目覚めの感覚には、起きたときの睡眠段階だけでなく、睡眠不足の程度や体内時計のタイミングなども関わります。
そのため、「計算どおりなのに起きられない」と落ち込まなくて大丈夫です。計算に身体が合わせられないのではなく、そもそも計算だけでは説明できない仕組みなのです。
たとえば、7時間眠れるのに「90分の倍数ではないから」と6時間に減らす必要はありません。眠れる時間を短くすることで、かえって睡眠不足が強まる可能性があります。
睡眠サイクルの計算よりも、必要な睡眠時間を確保することを優先しましょう。
これは、今回いちばんお伝えしたいことです。朝すっきり起きるために始めた工夫で、身体を休ませる時間を減らしてしまっては、本末転倒になってしまいます。
成人では、少なくとも6時間以上を目安に、必要な睡眠時間を確保することが勧められています。ただし、必要量には個人差があり、6時間で十分とは限りません。
朝の休まった感覚や日中の眠気も、振り返る手がかりになります。仕事中に強く眠くなる状態を、気合いだけで乗り切ろうとしないでくださいね。
なお、子どもや高齢の方では睡眠の考え方が異なります。ここでお話ししている内容は、主に働く世代の成人を想定しています。

仕事や家事があると、起きる時刻は自由に変えにくいものです。そんなときは、90分の区切りを探すより、必要な睡眠時間から夜の過ごし方を逆算してみましょう。寝つくまでの時間も含め、無理のない予定にすることがポイントです。
たとえば、朝6時30分に起きる方が7時間半の睡眠を確保したいなら、眠り始める時刻の目安は23時です。これは周期を合わせるためではなく、睡眠時間を確保する計算です。
布団に入ってすぐ眠れるとは限らないため、身支度や寝つくまでの時間も考えます。ただし、「必ず22時45分に入床」と分単位で厳しく決める必要はありません。
夕食、入浴、明日の準備を少し早めて、眠気が来たときに休める状態にしておく。そのくらいの余白があると、夜の焦りを減らしやすくなります。
自分に合う時間がわからないときは、1〜2週間ほど、寝床に入った時刻と起きた時刻、朝の休養感、日中の眠気を簡単に残してみてください。
「残業した翌日はつらい」「休日に遅く起きると、日曜の夜に眠れない」など、生活とのつながりが見えてくることがあります。
眠りについた瞬間を正確に知ろうとしなくて大丈夫です。記録の目的は睡眠を採点することではなく、今の暮らしを理解することにあります。
就寝時刻を早めても、まだ眠気がないと、布団の中で考え事が増えることがあります。「寝なくては」と頑張るほど、緊張してしまう方もいます。
眠れず焦りが強くなったら、いったん寝床を離れ、暗めの落ち着いた場所で静かに過ごしましょう。眠気が戻ってから、寝床へ戻る方法があります。
何度も時計を見るより、眠りを邪魔しない時間の使い方を選ぶことが大切です。不眠が続く場合は、一人で調整を重ねず医師に相談してください。

「睡眠サイクルが乱れた」という言葉には、眠りが浅いという悩みと、寝起きの時間がずれたという悩みが混ざりがちです。一晩の睡眠周期と、一日の睡眠・覚醒リズムを分けて考えると、見直すべき生活習慣も整理しやすくなります。
体内時計は、約24時間のリズムで、眠気や体温などの変化に関わっています。夜になると眠くなり、朝になると目が覚める流れを支える仕組みです。
一方、睡眠周期は眠った後に繰り返されるノンレム睡眠とレム睡眠の流れです。同じ「リズム」でも、見ている時間の幅が違うのですね。
また、眠気には、起きている間に積み重なる睡眠への欲求も関わります。眠りは一つのスイッチではなく、複数の仕組みが組み合わさって生まれます。
平日は6時30分、休日は11時に起きる。そんな過ごし方が続くと、休日明けに生活の時刻へ戻すことがつらくなる場合があります。
休日に長く眠りたくなるのは、平日の睡眠不足が関係していることもあります。「休日に寝過ぎる自分が悪い」と責める前に、平日の眠る時間を振り返りましょう。
起床時刻のずれを小さくしながら、平日の睡眠も確保する。その両方を考えることが大切です。睡眠不足を放置したまま、無理に早起きだけを続ける必要はありません。
夜勤や交代勤務の方は、「毎朝同じ時間に起きましょう」と言われても難しいですよね。仕事の条件が違う以上、日中勤務の人と同じ方法に合わせる必要はありません。
勤務表や通勤時間も含めて、休息を確保する方法を考える必要があります。強い眠気や不眠が続くときは、産業医や睡眠を扱う医療機関に相談しましょう。
眠りのための準備は、夜だけに行うものではありません。朝に光を取り入れ、日中に適度に身体を動かすことも、寝起きのリズムを支えます。すべてを一度に変えるのではなく、今の暮らしで取り入れやすい工夫から始めましょう。
朝起きたら、まずはカーテンを開けて、朝の光を取り入れましょう。朝の光は、体内時計を一日の生活に合わせるための大切な手がかりになります。
富山では、雨や曇りで朝が暗く感じられる日もありますよね。天気がよくないから何もしないのではなく、明るい窓辺で過ごすことから始めてみてください。
光を浴びるといっても、太陽を直接見つめる必要はありません。朝食や身支度をする場所を少し明るくするなど、自然に続けられる形がおすすめです。
朝食を取り、日中に活動することも、生活のリズムを整える助けになります。慌ただしい朝でも、起きてから仕事に入るまでに区切りをつけてみましょう。
運動は、いきなりランニングを始めなくても大丈夫です。昼休みに少し歩く、近い場所へは徒歩で移動するなど、負担の少ない動きから考えてください。
私も学生時代は野球に打ち込んでいましたが、休息を確保せずに頑張り続けることを勧めたいわけではありません。体力や痛みに合わせて、無理なく動くことが基本です。
日中の眠気を補うために昼寝をする場合は、午後の早い時間に短く取ることを考えましょう。夕方から長く眠ると、夜の寝つきに影響する場合があります。
成人なら、まずは20分程度の短い休息を目安にしてみてください。ただし、昼寝で毎日の睡眠不足をすべて埋め合わせようとするのはおすすめできません。
居眠りを我慢できないほど眠い場合は、昼寝の工夫だけで済ませないことが大切です。安全に関わる眠気があるときは、運転や危険な作業を避けてください。
朝の工夫と合わせて、夜は活動から休息へ移る時間を作りましょう。仕事の連絡や家事が続くと、身体は疲れていても気持ちは休まらないものです。飲み物、照明、入浴、寝室の環境を、自分が取り組みやすいところから見直します。
眠気を覚ましたくて飲むコーヒーが、夜の眠りに影響している場合があります。カフェインの影響には個人差があり、夕方の一杯でも寝つきが悪くなる方がいます。
コーヒーだけでなく、緑茶や紅茶、エナジードリンクなども確認してみましょう。夜に眠れない方は、夕方以降をカフェインの少ない飲み物へ替える方法があります。
また、お酒を寝つくための道具にすることも避けたい習慣です。眠くなったように感じても、夜中に目覚めるなど、眠りを妨げることがあります。
寝る前に画面を見るときは、明るさだけでなく、何を見ているかも大切です。仕事の通知や気になるニュースで、気持ちが落ち着かなくなることはありませんか。
「何時間前から絶対に禁止」と決めて苦しくなるより、まずは寝床に持ち込まない、通知を切るなど、続けられる方法を選んでみてください。
画面を暗くする設定を使っていても、つい夜更かししてしまえば睡眠時間は短くなります。光への対策と、使う時間の見直しは分けて考えましょう。
入浴は、就寝の1〜2時間前を目安に、無理のない温度で行う方法があります。熱過ぎるお湯に長く入ると、かえって目がさえる場合もあるため注意しましょう。
寝室は、暑さや寒さを我慢せず、快適に過ごせる状態へ調整します。光や音、寝具の蒸れ、首や腰の痛みが眠りを邪魔していないかも確認してください。
特定の枕やマットレスを買えば、睡眠周期が必ず整うわけではありません。まずは今の環境で、気になる不快感を一つずつ減らしていきましょう。

朝のだるさが続くと、「深い睡眠が足りないのかな」と考えたくなりますよね。ただ、休めない理由は睡眠周期だけではありません。眠る時間の不足、痛みやかゆみ、ストレス、睡眠の病気など、いくつかの視点から確認することが大切です。
「7時間寝ている」と思っていても、その中にスマートフォンを見る時間や、眠れず横になっている時間が含まれていることがあります。
反対に、寝床に長くいれば必ず疲れが取れるわけでもありません。時間だけを増やす前に、実際の眠りと日中の状態を大まかに振り返ってみましょう。
十分な睡眠の機会があるのに休養感が低い場合は、生活習慣以外の要因も考える必要があります。「自分の努力不足」と決めつけなくて大丈夫です。
肩や腰が痛くて寝返りしにくい、皮膚のかゆみで目が覚める。こうした不快感があれば、睡眠の計算だけを続けても、困り事が残ってしまいます。
私自身、幼い頃からアトピー性皮膚炎と向き合ってきました。眠りを考えるときにも、時間だけでなく、身体のつらさに目を向けることを大切にしています。
痛みやかゆみには、その原因に合った対応が必要です。皮膚科などで治療を受けている方は継続し、眠りへの影響も担当の医師に伝えてください。
アプリや腕時計で「深い睡眠が少ない」と表示されると、不安になることがありますよね。ただ、一般向け機器の推定値は、医療機関の睡眠検査と同じではありません。
数値は生活を振り返る参考にとどめ、毎日の点数をよくすることが目的にならないようにしましょう。身体の感覚や日中の過ごしやすさも大切な情報です。
反対に、アプリで高い点数が出ていても、強い眠気や体調不良が続くなら相談してください。データだけで、病気の有無を判断することはできません。
生活を整えることは大切ですが、セルフケアだけで抱え込まないほうがよい状態もあります。寝つけない、途中で何度も起きる、日中の眠気が強いなどの悩みが続くときは、睡眠不足や睡眠障害の可能性も含めて医師に相談しましょう。
家族から「いびきが大きい」「眠っている間に呼吸が止まっている」と言われた場合は、睡眠時無呼吸の可能性があります。
本人には自覚が乏しく、寝ているつもりでも日中に強く眠くなることがあります。睡眠周期の計算で対処せず、内科や睡眠外来などで相談してください。
強い眠気や呼吸の異常は、睡眠サイクルの乱れだけと決めつけないことが大切です。
寝つけない夜が続いて仕事に集中できない、眠れないことが怖い。そんな状態なら、一定期間を我慢してから受診しようと考えなくて大丈夫です。
気分の落ち込みや不安、薬の影響などが眠りと関係する場合もあります。処方薬や睡眠薬を使っている方は、自己判断で中止したり量を変えたりしないでください。
相談先に迷う場合は、まずかかりつけ医に話してみましょう。眠りの記録や家族からの指摘を伝えると、状況を説明する助けになります。
眠りにくさに加えて、首肩のこりや身体の緊張、休んでも力が抜けない感覚に困っている方もいると思います。当院では、睡眠の病気を診断するのではなく、身体の不快感や生活背景を伺い、対応できる範囲を一緒に整理していきます。
同じ「眠れない」というお悩みでも、残業が続く方と、痛みで目が覚める方では、必要な対応が違います。まずは、どんな場面で困っているかを詳しく伺います。
私は東洋医学と、解剖学・生理学などの視点を学びながら、身体全体を捉えることを大切にしてきました。睡眠についても、一つの原因に決めつけない姿勢を重視しています。
「自律神経が乱れているから」と一言で片づけず、勤務時間、身体の痛み、服薬、受診歴などを確認し、医療機関での評価が必要な場合は受診をお勧めします。
鍼灸や整体によって、誰もが決まった睡眠周期になるわけではありません。「一度の施術で不眠が治る」「必ず自律神経が正常になる」といった保証もできません。
当院では、身体の状態やご希望を踏まえて、負担に配慮した施術や生活上の工夫をご提案します。医療機関の治療を受けている場合は、その方針を尊重します。
東洋医学の考え方も、眠りの病気を確定する検査とは異なります。必要な医療と身体のケアを対立させず、それぞれの役割を大切にしたいと考えています。
睡眠サイクルを知ることは、自分の眠りを理解するきっかけになります。ただ、目標は90分の計算を完璧にすることではありません。必要な休息を確保し、朝のつらさや日中の困り事を減らすために、続けられる工夫を選んでいきましょう。
まずは、眠る時間を削らないこと。そして、朝の光や夜の過ごし方を少し見直すこと。小さな工夫でも、今の生活に合っていれば続けやすくなります。
一晩うまく眠れなかっただけで、取り組みが失敗したわけではありません。毎日の眠りには変動がありますから、数日から数週間の流れで振り返ってみてください。
私が大切にしたいのは、「眠るためにもっと頑張ること」ではなく、頑張り過ぎなくても休める条件を整えることです。
富山市、高岡市、射水市周辺で、眠りの悩みに加えて首肩のつらさや身体の緊張にお困りの方は、一人で抱え込まないでください。
「こんなことを相談してもよいのかな」と遠慮しなくて大丈夫です。必要な受診も大切にしながら、今のあなたにできることを一緒に考えていきましょう。
富山寿楽堂鍼灸院・整体院 副院長 泉暢祐